第2部 スタンダード編

 レギュレーションは98年4月1日付けのスタンダード

○メタゲーム
 最近の流行については、以下のデッキが検討すべきであろう。
・シュナイダーポックス
・5CG
・5CS
・トリコロール
・Awaking-Captize
 だが、これらは構築や運用が難しいので、山梨には使ってくるプレーヤーは少なく、使っていても 使いこなせないと推測される。また、その日は八王子マジック杯の日でもあり、東京などからの遠征も 考えにくい。こう言った”上級”のデッキは少ないと判断した。コピーして使っている人がでるかも 知れないが、その場合は問題にならない。
 また、山梨の特色として、
・地方にしては珍しく赤単バーンは少ない。皆無と言って良い。
・やはりクリーチャーデッキが多い。コントロール系は少ない。
と言ったものが挙げられる。つまり、単純なウイニー系が多いと言う事だ。
 また、マジックを単にクリーチャー同士の殴り合いをするゲームだと考えている向きが多く、 難解な動きをするデッキを理解できていないプレーヤーが多い。前回が良い成績であった一員に、 ”知恵の蛇”が全くノーマークであった事が挙げられる。実際、蛇が除去されることはほとんど なかったし、(能力を使ってダメージを与えないことが判明すると)攻撃してもブロックされなかった。 思えば、最終戦の黒ウイニーに負けたのも、”知恵の蛇”による攻撃抑止効果(カードアドバンテージ を与えない為に、ブロッカーを残しておく事)を裏切られた事も原因の1つであった。
 今回は、さらに難しい動きをする、”ネクロポーテンス”と”ズアーの運命支配”のコンボを 使おうかと思いましたが、青黒から”炎の嵐””解呪”を混ぜた4色(プロツアー・シカゴ大会で 優勝したランディ・ビューラーが使っていたファイアーストーム版ネクロ・デッキを取り込んでみた) へ変更して調整が終わっていなかったので、前回に使用した、白を混ぜた筑波ブルーを再び使用した。

今回使用したデッキのレシピ
メインボード60枚
知恵の蛇*3
大クラゲ*2
銀のワイバーン*1
大気の精霊*2
虹のエフリート*1
記憶の欠落*4
時の引き潮*3
転覆*2
対抗呪文*4
霧散雲消*1
放逐*1
ミューズの囁き*1
衝動*2

宿命*1
神の怒り*3
解呪*2

サファイアの大メダル*4

流砂*3
不毛の大地*2
知られざる楽園*2
サラカスの低地*2
アダーカーの荒野*4
反射池*2
シヴィルナイトの寺院*2
島*6

サイドボード15枚
マナの網*2
解呪*2
ハーキルの召還術*1
静寂*1
マンガラの祝福*2
聖なる場*1
ジェラードの知恵*1
赤の防御円*1
寒け*2
神の怒り*1
ラースの風*1

1回戦目
 相手は白単のライフ大量獲得デッキ。
いきなり地雷を踏む。

 この地雷、非常にタチの悪いことに、致命的なルール違反を犯していた。そして、僕はその事に 途中まで気がつかなかった。
 IAから5版に収録されたカードに”カリブーの”と言うカードがある。このカードはエンチャント ランドで、0/1のトークンクリーチャーを生成する能力を持つ。また、このトークンを生け贄に捧げると ライフを1点獲得できる。早い話が、防御的なアウトポストをつくるカードである。
 トークン生成のコストは、白白とエンチャントされている土地をタップすること。つまり、2ターンに 1つしかトークンを作れない。だが、相手はターンエンド毎に4〜5個もトークンを作っている!
 こういう致命的な間違いをしていた最大の理由は、使っていたカードが古いテンプレートで書かれた IA版のカードであったと言うこと。トークンクリーチャーのライフ獲得能力がクリーチャーに与えられた 特性か、カードの能力なのか確認する為にチェックした時に初めて気がついた。
 その後、トークンを作るコストにランドのタップが含まれていることを納得させるのに苦労した。 ただ、ジャッジを呼んだらすぐに納得した所を見ると、カードが古いテンプレートのIA版をわざわざ 使用してた事もあって、意図的だったようにも疑える。
 結局、それ以降は正しいルールでプレイするという事で決着が着いたが、既に不正なライフを50点 以上も獲得された後であった。
 ”転覆”を使えれば勝てると踏んで試合を続行したものの、肝心の”転覆”を一向に引かず、ライブラリ 1枚・1ターンの差でライフを削り切れずに負けた。
 この時点で残り試合時間が10分もなく、相手の、そんなにあからさまでない時間稼ぎもあって そのまま負ける。

 余談だが、この対戦相手のデッキは「成績は良くなかったが面白いデッキ」として表彰されていた。 いや、成績は悪い訳ではないんだよ。大金星を挙げているのだから(笑)。

 教訓を1つ。「自分が使えないと評価しているカードを相手が使ってきたら注意が必要である。 自分の考えが間違っていないなら、相手がルールを曲解しているだろう」

2回戦目
 相手は黒単ウイニー+生ける屍。コモン単大会でも3回戦であたった相手で、しかも身内。
 初戦は、午前中のコモン単大会と同じ様な展開。シャドーに苦しめられつつも、壮絶な ”生ける屍”対”神の怒り”の撃ち合いとなる。残り1点まで削られたが、そこからかろうじて 逆転する。
 2本目は土地事故を起こす。事故は両方ともだったらしいので助かったのだが、”神の怒り”を 捨てたのが響いて負ける。
 3本目途中で時間切れとなる。よって引き分け。このマッチ中、1度も”生ける屍”をカウンター できなかった。その代わりと言っては何だが、すぐに”神の怒り”を引いて来てくれたので助かった。
 はっきり言って、1回戦目に負けて優勝の望みがなくなったので、かなり気力が失せていたのも事実。

3回戦目
 1敗1引き分けで勝ち点は1。つまり、次の対戦相手はどうしようもない相手になる訳である。
 相手は黒単の手札破壊。しかも、自分から初心者であることを申告してきた。
 1本目で、こちらが蛇を引けずにいると”偏頭痛”を2枚張ってきた。仕方ないので戦法を変え、 手札を使い切ってダメージを受けないようにする。場に”銀のワイバーン”が出ていて、数ターンの 内に勝利することが解っていたからだ。途中”持たざる者の檻”を出されて困ったが、目論み通り 殴り勝つ。相手のデッキはクリーチャーコントロールのカードがほとんどなかったのだ。
 2本目は、きっちりドローを破壊を行って勝つ。飛行クリーチャーを殺せないのデッキでは、僕の デッキには勝ち目がないのだ。
 困った事に、せっかく手札破壊対策に用意した”マンガラの祝福”をサイドから投入し忘れる という大ミスを犯してしまう。まあ、大事には至らなかったものの、相手が弱いからと言って 気が緩み過ぎである。

4回戦目
 相手は白緑のライフ大量獲得デッキ。1回戦目の対戦相手の仲間らしい。
 平地と森を出してダイヤモンドを置いたので、プリズン系を警戒したが、”シッセイの指輪”が 出てきたので不思議に思いっていると、次のターンには5マナでとんでもないモノを置いた。
「この研究所はHMX−12トークンを生成します」
・・・残念な事に、”ヴォルラスの研究所”はマルチカラーのトークンを生成できないらしい。
 カウンターもマナ拘束もリソース破壊もない遅いデッキに負ける訳がなく、2連勝する。
 ちなみに、ここでも細かいミスをした。相手が出した”聖なる場”を、そのターンの内に壊して しまったのだ。残っているマナはトークンを1つだけ生成できる量であったので、トークンを1体 つくられてしまった。この場合、トークンを作らせておき、次のターンのアップキープで、 維持コストとしてトークンを生け贄に捧げた瞬間に壊してやれば良かったのだ。このプレイングに 自信がなかった事と、ルールで揉めるのが面倒くさかった(やる気がないのは、トーナメント プレーヤーとして褒められたものではありません。真似しないように)ので、そうしなかった。 後でジャッジに訊ねた所(可能性は低いが、次の対戦でそういうプレイングをするプレーヤーが いるかもしれないので)、それで正しいという回答を頂いた。ただし、そのジャッジは僕よりも 明らかにルーリングの知識が劣るので、これが正しいとは限らない(僕の判断では保留にして GRSにあたります)。

5回戦目
 いよいよ最終戦。相手は青単だった。
 1本目は”大口獣”とかを”時の引き潮””記憶の欠落”で戻している内に巨大飛行生物が出て 殴り勝つ。
 2本目も同じ様な展開になる。隙を見て”マナの網”を置くと完全に沈黙する。
 最後にデッキのコンセプトを見せてくれる。ティム系のクリーチャーを大量に並べて、 ”進入警報”と”金切り声ドレイク”とのコンボで瞬殺(?)するデッキらしい。


 優勝は白単ウイニー。準優勝は5CGだったそうです。スイスラウンドだけで終わるので、 上位の対戦を見ることができなくて、非常に残念であった。

 前回と比べて青が多くなっていた(僕は、青を使っている人にチェックを入れている)。 しかも、僕が前回(と今回)使用したようなタイプに近い、ターン破壊系の青デッキである。 前回、連れていってもらった身内の話すところによると、前回の僕のデッキとプレイングが かなり話題になっていたらしい。その影響であろう。

 しかし、優勝できなかったことが非常に悔やまれる。