黒編
NecropotenceとPoxが消えたことにより、これらのカードをキーカードとしたコントロール系デッキは亡くなった。スタンダード環境に変化をもたらすのが目的だったらしいので、これらのカードは7版以降で再登場の可能性はあるだろう。
また、Bad MoonとUnholy Strengthが落ちている。超速攻デッキである自殺黒の弱体化を狙ったものだと思われるが、肝心な主要クリーチャーが何1つ無くなっていないので、影響は小さい。これらのカードの代用と言うには効果の大きいHatretが残っているので、この手のデッキは11月まで安泰だ。
また、Rats,Hidden Horrorの追加もこの手のデッキにとっては好材料であろう。むしろ、後述する赤のクリーチャー除去能力の低下によって相対的に強化されたとも言える。
Vampiric Tutorの追加は、コンボ系デッキにとっては福音だが、スタンダード環境で最も成功率の高い即死デッキはHatred型の自殺黒である。
また、手札破壊能力がかなり向上している。ミラージュブロックの手札破壊カードが丸ごと追加されたからだ。対カード効果の高いStupor、ターン破壊能力を併せ持つAgonizing Memories,Painful Memoriesは共に黒に新しいデッキコンセプトをもたらすであろう。
なお、Drain Life,Dark Ritual,Animate Deadが落ちたことを嘆く向きもあるかもしれないが、Drain LifeはNecropotenceがない今は影響がほとんどなく、Dark Ritualは追加エキスパンションに入り続けるので問題なく、Animate Deadに至っては他に優秀なカードがあるので影響は全くない。
赤編
IncinerateのShockとの置き換え、BallLightning,Nevinyrral's Diskの消滅、X火力の減少と効率悪化と、悪材料の多さは最も多いだろう。特に円盤は、今まで優位に立っていた白のダメージコントロールに対する切り札の片割れであり、Cursed Scrollが現れる前に逆行する結果となった。入ってきたカードでめぼしい物はAether Flash,Hammer of Bogardan,Talruum Minotaurぐらいである。
さて、赤の最大の役割はクリーチャー除去であるが、主役がIncinerateからShockへと弱体化した。つまり、今まで除去できたのがタフネス3までだったのがタフネス2までに下がったのだ。これは、クリーチャーの強弱関係を塗り替えるものである。スタンダードで他にある火力で実用的なものはKindle,Parchである。これもまた基本的に2ダメージの火力呪文である。そう言うわけで、相対的にタフネス3のクリーチャーが「除去されない、優秀なクリーチャー」としてピックアップされることになるのだ。その代表が追加されたTalruum Minotaurであろう。
また、以外と見落としがちなのがPillage。赤の土地破壊能力がさらに向上したのだ。こいつはアーティファクト破壊能力も兼ね備えており、コントロール色としての赤の性能は向上としたと言えるかも知れない。
そして、あんまり認識さていないが、6版ルールになって、トーナメントデッキに入るカードで最も得をしているのが赤のカード群である。Mogg Fanatic,Mogg Raiders,Goblin Bomberdmentなどで「ブロックした後に生贄に捧げる」と言うプレイができるからだ。これにより、ブロックしたことで戦闘ダメージが入り、なおかつ、生贄にした効果を得ることができるのだ。これにより、Mogg Fanaticはタフネス2のクリーチャーを除去できるのだ。
緑編
緑には、落ちて悲しむべきカードがほとんどない。敢えて言うとLhurgoyfとSylvan Libraryだろう。
その上、入ってくるカードがかなり良い。ミラージュブロックの主戦力がほとんど帰ってくる。MaroにRiver BoaにUktabi Orangutanである。Lhurgoyfの穴を補って余りがある。これまた、赤のクリーチャー除去能力の低下が、追い風となる。もっとも、緑のクリーチャーは黒の主力クリーチャーと異なり、白のクリーチャー除去の影響を大きく受けるので、それほどでもないが。
Desert TwisterがCreeping Moldと置き換わったのも好材料だ。パーマネント除去能力がかなり向上した。パーマネント除去と言うとCrumbleが抜けたが痛いかも知れないが、WinterOrbもStasisも落ちたので影響はない。
結局、Sylvan Libraryが落ちて痛いのはどちらかと言うとコントロール系のデッキなので、クリーチャーでの殴り合いが強化されてコントロール系のウエイトを下げるというWotC社の意向を大きく反映した色だと言えよう。
白編
落ちためぼしいカードと言うと、プロテクション持ちの騎士。この辺は、白単でウイニーを作る、という場合以外は代用となるカードがいくらでもあるので現状では問題なし。白メインの5色が若干パワーダウンしたと言う所だ。後はIsland SanctuaryとBlinking Spiritだが、これらは使う人間が絶えて久しい。やはり、この辺もコントロール系のカードである。
また、緑と同様に追加されたカード、特にクリーチャー除去方面に強力な物が多い。と言っても、緑ほどの派手さには欠ける。何故ならそれらのカードがあった時期はSwords to Plowsharesの天下であり、Exile,Reprisal,Tariffと言ったカードは日の目を見なかったからである。まあ、これらのカードが比較的大型クリーチャーに効果が高い事は、ウイニー天下である現在のスタンダードでの有効性に疑問を投げかけるが。
青編
個人的には一番損失の大きい色だと思っている。確かに主力カードは抜けていないが、青の嫌らしさを支える「いぶし銀」なカード達がかなり消えているのだ。具体的に挙げるとBinding Grasp,Brainstorm,Energy Flux,Flood,Force Spike,Hurkyl's Recall,Hydroblast,Magical Hack,Portent,Ray of Command,Sleight of Mind,Time Elemental,Twiddle,Unstable Mutationなどである。青の除去やコントロール奪取、デッキ圧縮、書き換えなどを担ってきたカード達である。彼らがいなくなると、もはやカウンターと巨大飛行クリーチャーしか残らないと言っても過言ではない。
また、青で抜けた主力カードにStasisがある。芸術的なデッキの数々がスタンダードから消えるのだ。悲しい限りである。
さて、追加されたカードを見てみよう。
デッキ圧縮手段としてAncestral MemoriesやDream Cache,Inspiration,Library of Lat-Namは重すぎる。Browseは単独だと使い物にならない。
他のカードだと、Mana Shortは今更の感がある。評価できると言ったらMystical Tutor,Relearn位か。
アーティファクト編
Winter OrbとFeldon's Caneがなくなってコントロール系デッキが組みにくくなった。
Nevinyrral's Diskが落ちたのは、色事の特色(=弱点)が出やすくなったと言う意味で評価できる。単色デッキが減る傾向に進み、多色化ではない複色化が進むことであろう。本来的なマジックに戻ったという感じだ。
入ってきたカードの中では、Diamond系が注目カードであろうか。が、WinterOrbが消えた今、どれほどのものがあるか。それでも、Armageddon絡みのデッキ、特にMaro-geddonを強化するだろう。
対黒
白:KarmaからLight of Day
緑:Lifeforceが消えた
白がダメージから対クリーチャー特化された。白にはコントロール的側面が強いので、ダメージを与えてもなんぼの物があるか疑問だった為、良い変化といえる。
緑の対黒カードは無くなりました。
対赤
青:HydroblastからChill
白:JusticeからWarmth
青にしてみるとパーマネント除去能力が落ちた事になるが、赤にとってはカードの対コスト効果を極端に悪化させられるので、たまったものではない。青の対赤と言うと土地破壊対策がウエイトを占める事になるので、2マナで置けて2ターン以上を稼げる事になるChillは悪くない。
白は、本体を焼く呪文のカード効率を下げるエンチャントになった。が、赤に今更、単純なバーンで勝ち目が出るかというとそうではないので効果は薄い。むしろウイニーやスライと言ったクリーチャー偏重のデッキに効果が薄いのは致命的。
対緑
黒:DeathgripからPerish
青:LifetapからInsight
黒はカウンターからクリーチャー除去。土地破壊以外の緑の呪文は生物と言っても過言じゃないので、悪くはない。そもそも、エンチャント除去の豊富な色への対抗色カードがエンチャントでは使い勝手が悪かった。
青は使えないカードが使えないカードに置き換わっただけ。
対白
赤:Flashfires(変わらず)
黒:GloomからDread of Night
黒のGloomは全ての白呪文に効果があり、しかも既に場に出されてしまったエンチャントにも効果があった。が、それがクリーチャー限定カードに変更された。簡単に解呪されてしまうだろう。
対青
緑:Tunamiが消えた
赤:PyroblastがBoil
緑の対青カードはなくなった。
赤は、カウンター呪文が致命的な除去呪文に変わった。しかもインスタント。青はターンエンドに隙を作るのでのそこを突くことができるだろう。が、カウンター能力がなうと所詮はなかなか通らない。