Bレギュレーション制定運動とは何だったか?


2005年の7月頃、『逆襲の巨蟹宮』の発売前=Saga3へ移行直前に、いけっち店長(FB徳島店の店長・カードキングダムグループをフランチャイズする有限会社遊縁の社長)の提案による『Bレギュレーション制定運動』と言うのが起きた。

いけっち店長の思惑と賛同したジャッジの希望にズレがあり、結果としてすぐに頓挫してしまった。しかし、賛同したジャッジの希望はいけっち店長から木谷会長やブロッコリーに伝えられ、「Q&Aの整理」「ルールサマリーの制定」「フロアルールの制定」と言う結果に結びついた。

なお、2005/07/02に総決起集会と言うのがCK練馬春日店で行われており、その時のレポートは以下である。
http://d.hatena.ne.jp/Nakaji_c/20050714
http://d.hatena.ne.jp/Nakaji_c/20050715


活動内容を誤解してる人が多いようなので、賛同者側からみた経緯を説明してみようと思う。
賛同者側なので、美化されている部分があると思うので、その分は差し引いて判断してもらいたい。


まずは『Bレギュレーション制定運動』が起こる手前の状況をから説明を始める。
『逆襲の巨蟹宮』発売の前年となる2004年11月、「大改革宣言」と言うのが出され、アクエリのゲームデザインやルール関係が見直されることになった。その一環として、「ユーザ(公認ジャッジ)を招待してのテストプレイ」が、『逆襲の巨蟹宮』から行われる事になった。
公認ジャッジに送られた募集要項によると、5月末に上記のテストプレイは実施された。 しかし、その月の月末、雑誌『ぎゃざ』に『逆襲の巨蟹宮』収録のカードが先行情報が掲載された。そして、掲載されたカードに1F0Cでチャージ1またはドロー+1を持った軽ブレイクなどがあり、SagaII以前のカード水準から考えるとオーバーパワーなカードで問題を含んでいた。
ユーザの間には、本当にテストプレイが行われたのが疑念が沸いた。しかし、印刷などの期間を考えると、テストプレイに供される前に入稿されたと推測されたので、テストプレイで修正されて、本製品版は直っているだろうと言う事で落ち着いた。

ところが、『逆襲の巨蟹宮』発売に先立って世に出た構築済みデッキで、雑誌に掲載された1F0Cの軽ブレイクがそのまま収録されている事が判明した。これにより「ユーザによるテストプレイはポーズだけで、実際に意見を聞く気は無いのでは?」と言う疑惑がユーザの間を駆け巡った。中には「ユーザによるテストプレイは募集だけして、実際に誰も採用せず、実行されなかった」と言う酷い見解すら出る始末であった。
『Bレギュレーション制定運動』という話が沸き起こったのは、ユーザがデザイナーに対して強い不信感を抱いていた『逆襲の巨蟹宮』発売直前のこの時期であった。

なお、発売された『逆襲の巨蟹宮』には、テストプレイ前に入稿されて雑誌に掲載されたと思しきカード以外は、「テストプレイで駄目出しされたけど修正せずに収録された」風なカードは見当たらなかった。
また、新環境になったことで、バランスの良し悪しについては実際にカードを使ってみないと判断つかないという考えから、デザイナーに対する不信が一次的に棚上げされた。前出の総決起集会は、デザイン面への不信が棚上げされた時期に実施された為、不満点がルールの不備に集中していた。


ちなみに、1F0Cの軽ブレイクは単純にオーバーパワーなだけでなく、ゲーム性を損ねるソリティアデッキを構築しやすくする弊害が指摘されていた。
実際にその年2005年のKoKを制したのは1F0Cの軽ブレイク《幣巫女》を積んだ《五雷法》デッキ(《土御門紗綾》3段で非圧縮型)であった。また、翌年2006年に大問題を引き起こした《式神刹那式》によるソリティアデッキも、1F0Cの軽ブレイクが《天恵》が重要なキーパーツとなっていた。


また、テストプレイが終る前にカードのテキストを雑誌に載せるのは、その後のテスト結果でテキストを修正したくても修正できなくなると言う問題があることにブロッコリーも気付いたらしく、『逆襲の巨蟹宮』の次のエキスパンションである『魔術師の呪文』からは、雑誌における新エキスパンションの情報は、新カードのコンセプトを説明するに留め、具体的なテキストの掲載の掲載を避けるようになった。


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