Saga3時代のデッキ構築基礎講座


■第1章■ 方向性の決定

○ゲーム序盤の目的は『補給線とファクターの確保』
補給線とは具体的に言うとドローとチャージであり、それらのスキルを持ったキャラクターを支配する事である。
ファクターはそのまま、使うのに必要ファクターのあるカード(ファクターブレイクカード・パーマネントカード・プロジェクトカード・ファストカード)使う勢力のキャラクターを支配していく事である。
アクエリアンエイジというゲームは、序盤5ターンぐらいは支配キャラクターを増やし、補給線とファクターを確保する事に専念しないとならない。
キャラターカード以外のカードを使うにはファクターが無いとプレイできない。だから使いたい勢力のキャラクターを支配する必要がある。
それ以前の問題として、使いたいカードが手札に無いとプレイできない。手札を増やすにはドローのスキルを持つキャラクターを多く支配する必要がある。
また、コストを支払う必要があるからパワーカードを確保しないとならない。パワーカードを確保するにはチャージのスキルを使うか、手札からパワーカードを挿すしかない。

ファクター及び補給線はキャラクターが持つものであるから、相手のキャラクターを除去する事は相手のファクター及び補給線を奪う事に繋がり、アクエリで勝つための基本戦略となっている。
だから、ただ支配キャラクターを増やすだけでなく、相手に除去され難いキャラクターを選んで支配する事も重要である。

○まずは使う勢力と中心に据える分類を決定
実際にデッキを作っていく前に決めないとならないのは、使う勢力と分類である。
勢力については、使いたいカードが決まっているなら、その勢力に決まる。
分類については、使いたいカードがブレイクカードやキャラクターカードならその分類でよい。使いたいカードが複数なら、共通している分類を選べばよい。1つの分類に絞れなかったら2つぐらいまではデッキにできる範囲である。
使いたいカードがパーマネントカード・プロジェクトカード・ファストカードだと、そこから使う分類は決めれない。しかし、分類については、勢力毎に主軸としている分類がある。色が決まっていて分類が決まっていない場合そう言う分類から選べばよい。また、ブレイクカードなどで2つ分類が有る場合はやはり勢力主軸の分類になっている方を選ぶのがデッキを組みやすい。
勢力毎の主軸分類は、具体的には以下である。
 E.G.O.  :ワーカー, スチューデント
 阿頼耶識 :霊能者, ゴースト, アスリート, トライ
 WIZ-DOM  :ミスティック, スカラー, クリーチャー, タレント
 ダークロア:マーメイド, 悪魔, モンスター, 鬼, ドラグーン, ヴァンパイア, ワータイガー, ワーウルフ
 極星帝国 :スキャナー, アンデッド, ミスティック, トライ, ウォリアー
 イレイザー:イレイザー, サイボーグ, ドラグーン, トライ, アンドロイド

また、後でも述べるが、ブレイク1枚につきブレイク素体になるキャラクターを1.5枚から2枚入れる必要がある。そのぐらい入れておかないと、スムーズにブレイクできない。
これを考えると、使う分類は1〜2種類に絞る必要がある事が判る。

○単勢力のメリット・2勢力のメリット
ブレイクカード・パーマネントカード・プロジェクトカード・ファストカードは、使うのにファクターを満たしていないとならない。つまり、その勢力のキャラクターを何体か支配して無いとならない。
こう言うルールを作る事で、アクエリでは、どんなに強いカードでも全てのデッキに入るような事態を避けて、ゲームとしての奥深さを確保している。
さて、1つのデッキに詰め込める勢力の数だが、2勢力が限界である。これはあくまで、ファクターを必要とするカードは2勢力に抑えると言う話である。後述するが、ちゃんと計算して入れるであれば、キャラクターカードは6勢力全て入れても構わない。キャラクターに関しては6勢力すべて入れるメリットが存在するケースもある。
また、1勢力しか選ばないならファクターの重さは特に限界は無いが、2勢力を選んだ場合は両方とも3ファクター以上を確保するのは難しい。とは言え4ファクター以上のカードを使えないのでデッキ性能が低くなってしまうので、片方の勢力を主軸とて4〜5ファクターのカードを入れ、もう片方をサブの勢力として使うカードのファクターを2ファクター以下に押える
単勢力のデッキの場合、ファクターが確保できない事故が減り、デッキが安定して動く。その反面、勢力が持っている弱点をカバーできない。
2勢力のデッキの場合、メインの勢力が持っている弱点をサブの勢力でカバーする事で、弱点の少ないデッキに成る。その代わり、単色のデッキと比べてファクターが確保できないなどの事故が増える、デッキの安定性に欠ける。
2勢力で両方とも4ファクター以上のカードを使うデッキや、3勢力以上のデッキは、とてもじゃないけと安定して動かないから避けるべきである。


■第2章■ 大枠作り

○デッキ枚数:基本は60枚
まずはデッキ枚数から。
アクエリはルール上40枚〜60枚でデッキが構築可能。
しかし、大抵のデッキは60枚で作られる。何故か?
余程の変則的なコンボデッキでもない限り、お互いに場を構築する速度はほぼ一緒。そうなると、デッキが薄い方が先にデッキ切れで負けてしまう。

○ダメージ比率
デッキに入っているキャラクターとそれ以外のカードの比率をダメージ比率と言う。

ダメージ判定を行った場合、キャラクターはダメージ置き場に置かれないが、それ以外のブレイクカード・パーマネントカード・プロジェクトカード・ファストカードはダメージ置かれる。
ダメージ比率を操作することで、何点のダメージ判定で敗北条件を満たすがが変わってくる。
 キャラ20ダメージ40の場合:15点のダメージ判定で敗北
 キャラ30ダメージ30の場合:20点のダメージ判定で敗北
 キャラ40ダメージ20の場合:30点のダメージ判定で敗北

○キャラクター30オーバー・軽ブレイク4〜10・残りは勝ち手段
最近ではデッキの構成がテンプレート化されて来ている。
キャラクターを30枚以上入れ、軽ブレイクを4枚〜10枚入れ、残りを勝ち手段となるカードに当てる。
60枚のデッキを組むのに際し、このテンプレートに従ってデッキを組むと割と安定して動くデッキになる。ちなみに、私がデッキを組む場合、キャラを34枚は入れている。
以下の章では、テンプレートの構成要素「キャラクター」「軽ブレイク」「勝ち手段」について、個別に述べていく。


■第3章■ キャラクターの選択

まずは、デッキの半分以上を占めるキャラクターについて。
デッキに入れるキャラクターを選ぶ場合の大原則として「チャージかドローを持ったキャラクター以外は入れない」と言うものがある。

○選択肢に上がるキャラクターを具体的に
・ドローキャラ
「ドロー+1」のスキルを持っているキャラクター。『太陽の恵み』の《ファーマシスト》や《エルフメイド》である。
こいつはアクエリの基本。10枚以上は欲しい。
分類が合っているのは最優先で入れる。
それ以外は、メイン勢力よりサブ勢力を優先した方が良い。
理由は、シールドが無いので焼かれ易いから。また、相手から見てキャラクターカードを焼く優先順位はドローカードが最優先となるから。メインのファクターはなるべく失いたくない。

・シールドチャージ
「シールド チャージ1」のスキルを持っているキャラクターである。シールドとチャージが重要であり、他にスキルを持っていてもシールドチャージに分類される。『月光の秘儀』の《春巫女》や《機天使》などである。
シールドを持っていると言う事は除去され難いと言う事だ。ファクターとして使っている勢力については、ドローキャラ以外はこれがメインになる。

・インセプチャージ
通称「セプチャ」
精神力が0で、「インターセプト チャージ1」のスキルを持っているキャラクターである。精神力が0な事が一番重要で、インターセプトを持っていても精神力が1や2ではインセプチャージには分類しない。『月光の秘儀』の《マーウィッチ》や《キャプチャー》などである。
精神力0で支配しやすい上に、いわゆるチャンプブロック(バトルで一方的に負ける事を承知で行うガード宣言の事)を行っても、ハンドアドバンテージ的に損をしない。
通常、ガード宣言して一方的に負けると、アタックした側はアタック宣言に使ったパワーカード1枚を失っただけだが、ガードした側はガード宣言に使ったパワーカードとガードしたキャラクターの2枚のカードを失い、2:1と言う不利な交換効率となる。それが、インターセプト持ちならガード宣言にパワーカードを使わないので、1:1の等価交換になる。
このカードが多ければ多い程、守りが堅くなる。最低8枚、ファクターやブレイク素体の確保に支障が無いなら可能な限り投入したい。
焼かれやすく奪われやすいのでファクターとして信頼できず、メインで使う勢力での使用は避けたいが、それでも精神力0の支配し易さも魅力なので、メインの勢力にも2〜4枚ぐらい入れても問題無い。
なお、パラメータが0/0/3と0/1/2があるが、入れるなら0/0/3優先。耐久力が3あるインターセプトは、E.G.O.や阿頼耶識の軽ブレイクによるアタックをガードしても死なず、完全に止めてしまう。

・チャージ2キャラ
「▼ チャージ2 キャパシティ-2」のスキルを持ったキャラクター。『太陽の恵み』の《剥製少女》や《川猫》などである。
今の所『太陽の恵み』にしか収録されておらず、各勢力1種類ずつしかない。
▼を持っているけどシールドを持っていないので焼かれやすい。その上、1体支配するだけでキャパシティ-2と、デメリットが大きいが、それでもチャージ2と言うスペックは破格だ。ぶっちゃけ、キャパシティ-2によって支配できる枚数が制約されてなかったら、ゲームバランスが崩壊してたであろう。
キャパシティ-2を1体支配すると手札上限は5枚、2体支配で手札上限は3枚。この辺がギリギリであろう。3体支配すると手札上限が1枚になってゲームに成らない可能性が出てくる。
とは言え、分類が合わないなら無理してまで入れる必要は無い。
3体以上は支配したくないので多くても8枚、4枚〜6枚が妥当な枚数だろ言えるだろう。メタゲーム次第では、▼持ち・シールド無しが大きなデメリットとなるので敢えて入れないと言う選択肢もある。

ちなみに言うと、このキャラクターに限った話ではないが、▼持ちは完全にデメリットとは言い切れない。序盤に勢力から殴られる事はキャラクターを展開させると言う点で必要であるからだ。

・上記だけではキャラクターが足りないなら……
ブレイク素体が足りているなら、ブレイクされ難い分類の上記キャラクターを入れる。
ブレイク素体が足りないなら、分類が合うチャージを持ったキャラクター(シールドを持っていなくても構わない)で埋めていく。なるべくなら、▼が無くて精神力1のキャラクターが良い。

○精神力別のメリット・デメリット
※あくまで「キャラクターカードの精神力」の話です。
・精神力0
パワーカードを挿さなくても支配できるのはメリットであるが、相手にブレイクされる事と焼かれやすい(精神攻撃で焼く場合に(1)点で済む)のがデメリット。
つまり、ファクターとして信頼できないので、メインで使う勢力のキャラクターカードでは極力避けたい。
サブで使う勢力や、ファクターとして使わない勢力なら、パワーカードを挿さなくても支配できるメリットの方が強くなるので、積極的に精神力0のキャラクターを使っていきたい。

・精神力1
支配するのに挿すパワーカードは1枚。パワーカードを挿せるって事は、パワーカードを挿している限り相手にブレイクされない。
一番バランスが良いといえる。
メインで使っている勢力では、精神力1のキャラクターが中心に選択するべきだろう。

・精神力2
支配するのに挿さないとならないパワーカードは2枚。かなり重い。
「ドロー+1」とか「チャージ2」とか「チャージ1 バインド1」とかの相応のメリットが無い限り、選択するのは避けたほうが良い。

・精神力3以上
支配するのに挿さないとならないパワーカードが3枚以上になると、正直、支配するのが無理。
白はドローキャラが精神力3なので、白をメインで使っている場合はドローキャラに関しては仕方が無いが、それ以外では入れないほうが無難。

○単勢力デッキには、他の5勢力のキャラクターを散らす
キャラクターカードを支配できるのは1ターンに1枚。デッキに使う勢力が1勢力だからと言って、キャラクターカードをその勢力だけしか入れないと、1ターンに1枚しかキャラクターが増えない。
使う勢力のキャラクターカードを3ターン目まで1ターン1枚の支配をするには、デッキにその勢力のキャラクターカードを1/3程、20枚前後入れていれば充分であるが、ここは余裕を見て22〜24枚入れたい。
20枚と言う計算の根拠は期待値計算である。先攻だとして3ターン目までに最低9枚ドローするので、その中に3枚あれば良いのだから60枚デッキの1/3で、20枚と言う計算になる。
しかし、期待値通りに引ける確率ってのは7割前後なのだから、メインに使う勢力のキャラクターカードを余裕を見て22〜24枚を推奨する。
そうすると、10枚程は他の勢力のキャラクターカードを入れる余裕がある。この10枚前後を他5勢力に2〜3枚ずつ割り振れば、1ターンに支配できるキャラクターが増え、序盤の動きが安定する。
使わない勢力のキャラクターは、ファクターとして使わないのだから、除去への耐性を重要視する必要が薄くなる。精神力0の「インターセプト チャージ1」持ちのキャラクターか、ドローキャラを入れるのが良いだろ。
入れるキャラクターの分類については、「ブレイク素体になるキャラクターを優先する」か「相手にブレイクされ難い分類を選ぶ」の2択になる。自分のブレイク素体にならないのに、相手にブレイクされ易い分類を選ぶのだけは避けたい。
相手にブレイクされ難い分類/され易い分類については、流行のデッキ次第で変わるので明確な事をいえない。ブレイクされ難い分類を手軽に選びたいなら♂分類が解り易いだろう。
割と普遍的なブレイクされ易い分類を挙げるとすれば、ワーカー(♀♂問わず)・スチューデント・霊能者・ミスティック・スカラー・スキャナー・イレイザーとなるだろう。これらの分類は、カードデザイナーがブレイクされ易いと設計していると見受けられる。

ドローキャラを入れる場合の注意点が2点ある。
1つ目は、▼を持っているキャラクターカードが入っている勢力が増えると、勢力フェーズで殴ってくるキャラの数が増えると言う事だ。キャラクターカードの勢力を散らす場合、ドローキャラを入れる勢力は1勢力に絞るのが良いだろう。
2つ目は、なるべく精神攻撃を使った方が有利だと言う事だ。自分がメインに使っている勢力がWIZ-DOM以外なら、WIZ-DOMのドローキャラを入れるのが良いだろう。

○2勢力デッキなら、メイン勢力20枚前後・サブ勢力12枚以上
2勢力のデッキなら、メイン勢力は毎ターン1ファクター、サブ勢力は2ターンで1ファクターを目指す。
そうなると、サブ勢力は最低でもデッキの1/5、12枚は欲しくなる。できれば16枚ぐらい欲しいが、そんなに入れるとメイン勢力のキャラクター数を削るか、デッキ全体のキャラクター数を多くしないとならなくなる。
その辺のバランスを考えてサブ勢力のキャラクター枚数は12枚以上であり、また、メイン勢力20枚前後となる。
また、単勢力のデッキの時と同様、メイン勢力は極力シールドチャージを使い、ドローキャラやインセプチャージはサブ勢力に回したい。

○分類
説明する順番が前後するが、ある分類を使うと決めたとして、その分類を持つブレイクカードを入れた枚数の1.5倍〜2倍の数、その分類を持つキャラクターカードを入れておくと、スムーズにブレイクカードをプレイ出来る。キャラクターカードはそれ単体でも役に立つが、ブレイクカードはキャラクターカードをブレイクしないと役に立たない。そうなると、手札に来たブレイクカードを腐らせないためには分類の合うキャラクターカードを多めに入れておいた方がよい。
この「1.5倍の法則」ブレイクカード12枚に対してキャラクターカード18枚とか言うように、ブレイクカードもキャラクターカードも充分に大きな数の場合にのみ成立する法則である。
だから、あるブレイクカードそ4枚入れたとして、その1.5倍である6枚だけキャラクターカードを入れたからと言って、4枚積みのブレイクカードがスムーズにブレイクできるわけではない。
ブレイクカードを入れた場合、最低10枚はブレイク可能なキャラクターがデッキに入っていないとスムーズにブレイクできない。
この「最低10枚の法則」は、キャラクターカードの10枚が同じ分類である必要は無い。例えばイレイザー分類を主軸にしたデッキに《電脳妖精“ラプンツェル”》を4枚だけ積んだ場合、《ハーピィ》でモンスター分類4枚、《機天使》でサイボーグ分類4枚、《再インストール体》でゴースト分類2枚と言う形で、別々の分類のキャラクターカードを集めて《電脳妖精“ラプンツェル”》のブレイク可能なキャラクター10枚以上を満たしても良い。


■第4章■ 軽ブレイクの選択

○軽ブレイクの定義・メリット
軽ブレイクというのは、1ファクターでプレイ可能なブレイクを指す。
狭義ではドローかチャージを持っている必要がある。
まず、「単純にサイズが大きい事」や「ブレイクである事」からキャラクターよりも除去されにくく、ファクターとして安定する。サイズが大きいから《彗星爆弾》みたいなダメージ除去、《夏休み》みたいな耐久力に作用する除去、《デスルーン》《エクリプス》みたいな精神力に作用するカードなどの影響を受け難い。また、《茶吉尼天経》や《ダークベイン》のような除去はブレイクしていないキャラクターしか対象に取れないのだから、軽ブレイクを支配していればそう言う除去への耐性となる。
また、軽ブレイクというのは、守りの戦力である。かつ、キャラクター支配以外でファクター及び補給線を確保できる手段でもある。
「守りの戦力」と言うのは、具体的には相手が殴ってくるハードルを高くすると言う事である。自分が支配しているのがキャラクターばかりでは、相手から見れば耐久力が3あればバトルでは負けないので殴って来られる。しかし、2/4/2の軽ブレイクが1体立っていると、耐久力5のブレイクをプレイするまで殴れなくなる。
それ以外にも、ブレイクスルーのスキルを持ったキャラクターの攻撃をガードできる、というのも、「守りの戦力」としての役割である。
また、「ファクター及び補給線を確保」はキャラクターを支配すればできるが、1ターンに1勢力1体に制限されている。それを軽ブレイクで行えば相手より1歩先に行く事になる。
そう言うわけで、4〜10枚軽ブレイクを入れる事は重要である。
基本的に軽ブレイクはメイン勢力のものを入れるが、場合によってはサブ勢力の軽ブレイクを2枚程度入れるのもアリである。

○ブレイクはチャージの方が強い
ブレイクカードが持つチャージとドローがどちらが強いか?と言われたらチャージの方が強いと言うのが一般的な見方である。アクエリのデザイナー陣はドローの方が強いと考えてデザインしているらしいけど。
チャージが強いとする理由は、最初にアドバンテージを得るタイミングが1ターン早いからである。ブレイクカードをプレイするのはメインフェーズで、チャージによるアドバンテージ獲得は続くパワーカードフェーズに行われる。つまり、ブレイクした直後、そのターンの内にチャージによるアドバンテージを得れるのだ。
これに対してドローの場合、アドバンテージを得れるタイミングはドローフェーズである。メインフェーズにブレイクした場合、相手のターンを過ぎて自分にターンが戻って来て初めてアドバンテージを得られる。この1ターンの差は大きい。
ちなみに、この考え方をキャラクターカードに適用すると、パワーカードフェーズの最後に支配されるのだから、先にドローフェーズが回ってくる分ドローキャラの方が強いと言う事になる。これは正しい見方であるが、チャージの方も同じターンのパワーカードフェーズが最初にアドバンテージを得られるタイミングなので、1ターンの差がるブレイクカード程に大きな差があるわけではない。

○選択肢に上がる軽ブレイクを具体的に
・ドロー+1バインド1
『月光の秘儀』の《ディヴァイン・シスター》や《ナノチューンド・セクレタリー》である。
軽ブレイクは守りの戦力であるのだから、相打ちしても場に残せるバインドを持っていると強いと言う事は言うまでも無いだろう。
また、バトル以外のダメージによる除去を考えるとシールドの下位互換であり、ファクターとしての安定性がそれなりに有るとも言える。
ぶっちゃけ、使いたい勢力だけ決まっていて、使いたい分類が決まっていないなら、このブレイクがある分類を選ぶのが無難である。

・1F1Cシールドチャージ1/ドロー+1
『女教皇の瞳』の《護衛メイド》や《リトルレディ》など。
『太陽の恵み』に1F2Cでシールドを持った軽ブレイクがあるけど、後述する一部の例外を除いて2コストが割に合わないのでデッキに入れる選択肢には挙げられない。
軽ブレイクもファクターとして見るのだから、焼かれないと言う事による安定性も重要となる。だから、シールドがあると言うのは大きなメリットであり、ブレイクする際に1コスト余計に支払う価値が出てくる。

・1F0Cチャージ1/ドロー+1
シールドやバインドがない分、1コスト軽い。
ただし、1コスト軽いと言っても1コストと0コストの間はかなり大きい。1コストでもコストを支払うと言うのは、プレイ出来る枚数が場にあるパワーカードの枚数に左右される。しかし、0コストって場のパワーカードの枚数に縛られず何枚でもプレイ可能。
また、場のコストが減らないってのも強くて、1F0Cを多用してると、2ターン目に《ラプンツェル》や《熱田静》をプレイ可能になる。
コストパフォーマンス的に壊れてるとは言え、焼くカードが多い今のSaga3環境ではシールドかバインドも持った軽ブレイクを選択するのが無難。

・例外:ゴーストメイド
先ほど話した『太陽の恵み』の1F2Cシールドシリーズの例外。
先に他の1F2Cシールドシリーズの話をすると、いくらシールドが優秀とは言え、補給線なのだからシンクロやインターセプトに価値は薄く、チャージ1に2コストは支払えない。
しかし、《ゴーストメイド》はチャージ1にドロー+1もついているので、2コスト支払う価値が出てくる。と言うか、補給線の観点で言うとシールドチャージ1とシールドドロー+1の2枚分の働きを1枚でしていると言える。
なので、『太陽の恵み』の1F2Cシールドシリーズの内、このカードだけは軽ブレイクとしてデッキに投入する価値を持っている。

■第5章■ 勝ち手段
「勝ち手段」については、デッキコンセプトになる部分であり、個別の詳細論を集合させたものになってしまい一般性を欠くので、これを割愛する。
しかし、高性能補給線ブレイクの話は比較的多くのデッキで共通するので、最後に紹介しておく。

○2F2C高性能補給線ブレイク
2F2Cでチャージ2か、それに順ずる補給線となるブレイクの事である。
チャージ2があると、プレイに2コストかかったとして、そのターンのパワーカードフェーズでチャージをすれば、支払ったコストを回収できる。そういう点でロスが少なくて強力な補給能力だと言える。
ぶっちゃけ、イレイザーを使っているなら分類的に無理しても《電脳妖精“ラプンツェル”》を投入すべきだし、阿頼耶識を使っているなら分類的に無理しても《巫女“熱田静”》を投入すべきだろう。
また、チャージ2に順ずる補給線というのは、具体的には以下のブレイクである。分類を無理して入れる必要はない物、勢力が合っていて無理なく投入可能であるなら使うべきブレイクであることは間違いない。

・ホムンクルス・デーモン“アレキサンドリア”
持っているスキルはチャージ1だが、エフェクトの方で一気にデッキを5枚見れるってのが物凄いサーチ能力になっている。5枚も見れば使いたいカードの1枚ぐらいは存在する。
その他、自分パワーカードフェーズの前にエフェクトを使っておいてパワーカードに挿すカードを操作したり、相手のアタックを通した際に使用してダメージ判定の結果を操作したりするは強い。
注意しないとならないのは、パワーカード1枚使って、デッキから5枚引いて、1枚をダメージ置き場に置いて3枚をデッキに戻すので、差し引き±0な事。それでも、このエフェクトにはデッキ投入の価値がある。

・悪魔“パイモン”
持っているスキルはチャージ1だが、アビリティの方が補給線となり、自分のターン・相手のターン両方で効果を発揮するので、実質的にドロー+2 チャージ3のキャラクターである。
ただ、デッキの消耗も早く、毎ターン1枚パイモンに挿されるパワーカードの使い道が無いとロスになるので、運用の仕方に難しい面もある。


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