ブロックトーナメント決勝レポート

使用デッキ:インセプ青緑コントロール『the Solution』

4 婦警
3 ボレロ女子高生
3 生霊
2 演歌歌手”難波いのり”
2 尼僧
4 ゲブラー
4 グレイマルキン
3 トルバドール
1 ハーミット”エディス・ハーキュリー”
3 星詠み”エレノール・フォーチュネート”
4 雪女郎
4 ヴァンパイア・プリンセス
3 フェアリー
3 ノルン”ウルド”
1 ノルン”スクルド”
4 欠陥アンドロイド
3 イレイザー工作員
1 ケルビム”サキエル”
4 ヴァンパイア・キス
4 幽体離脱

 メタ読みの話。
ネット等で各地区の優勝者のデッキの情報を集めてみた。
関東B:ひびき&ツインスター+プラズマ(U18優勝者)
中部:マトリエル(1段のみか2段目まであるかは不明)
関西:悪魔中心の塔チャーム
残りは不明。
 調べた結果、私のデッキはかなり情報の漏洩が激しかった。デッキコンセプトは無論、ブレイクが全くない事、キャラクター以外のカードは何が入っているか、などが調べることが出来た。多分、本気のプレーヤーはその程度のことは調べているだろう。本戦で使うかどうかの判断は別として。
 自分的には、マトリエル以外はそのままのデッキで来ると予想。自分の中の判断で、多段ブレイクは決勝に持ち込めるデッキではないと思っているので。また、勢力イレイザーメインのデッキでマトリエルを採用する理由を見いだせなかった。これは、自分で組んでみた結果から判断した結論であり、私よりデッキ構築能力やプレイングが優れた人が有効だと判断したなら、戦う以前に負けているので、気にしないことにする。
 各地の予選の様子からして、警戒すべきはイレイザーのビートダウンとダークロアのコントロールと判断。まあ、白のパームとか赤のアマテラスも警戒すべきデッキなのだが、インセプを選んだ時点で完全に勝てるので気にしない。パームは、原型がライブラ時代に組んだデッキと言うことで、元々アンチパームのデッキとして構築されている。また、アマテラスに関しては阿羅耶識での最大の天敵である茶吉尼天経を入れる必然性がない事から、かなり与し易い相手である。アマテラスは阿羅耶識のデッキの中でもかなりコントロール色が強くなるデッキだが、アンチコントロールデッキであるインセプでは相手の戦略の大部分を無効化できる。
 さて、イレイザーへの対策だが、まず問題なのははステスルシステム。欠陥アンドロイドを確実に支配できるように、4積みの上に他のイレイザーのキャラクターを極力へらした。関東Aの時からスターフリゲートを抜いていたが、今回は序盤でフレイアやソニアなどと変に当たる心配がないのでミントも抜く。あと、彗星爆弾で流されないキャラクターでイレイザーの1レベルブレイクと相打ちを取れるカードの採用を検討する。1/2/2というパラメータのキャラクターを4枚投入した。これは、ダークロアのコントロール対策も絡むので、そちらで述べる。
 で、ダークロアのコントロールへの対策だが、チャームに関してはグレイマルキンで対処が完了する。確実に対処できるように4積みにしておく。ヴァンパイア・キスに関してはフリープレーで苦い対戦があった時の教訓から、チャージを持ったキャラクターを積めば良いと言う結論になった(そのままで済みません)。コンセプトを崩さずにチャージを増やすとすると、シスターをトルバドールに置き換えれば良い。エンジェルシスターでないのは、対イレイザーを考えて判断である。プロジェクトに関しては、妖精の輪は問題ないがハロウィンパーティーは大問題である。ここで、イレイザー対策で述べた1/2/2キャラクターの話になる。ダークロアのプロジェクトのコストを上げるヴァンパイア・プリンセスを発見する。こいつなら、1石2鳥の選択だと言えよう。


準々決勝 「絶体絶命からの生還」

 相手は、中国地方代表の方。
 いつも通り、相手のデッキを6枚切りでシャッフルした後、運命のジャンケン。勝ってしまい先攻を選択する。
 初手の動きは、青キャラクターとフェアリーを支配と、なかなかの出だし。相手の初手はと言うと、タッチ青のイレイザーな様子。タッチ青で採用されるカードはほぼ封殺できるので問題なし。プロジェクトならゲブラーが有効だし、ファストならグレイマルキンで完封できる。ただ、相手にもゲブラーが出てきたので、死の印とかは入っていない模様。
 一応、対イレイザー戦の基本として、1回目の彗星爆弾の被害を最小限に抑えるプレイングを心がける。彗星爆弾を打ちたくなる場を構築し、早めに1発目の彗星爆弾を落としてもらうのだ。代わりの効く青い精神攻撃持ちガード要員やステルスキャラと彗星爆弾を交換することで、欠陥アンドロイドや星詠みを温存できる。
 が、フェアリーで順調に殴り続けると、次第にタッチ青が濃いことが判明、そして、ダメージにマトリエルを発見する。
 背筋が凍り付いた!
 想定外の対マトリエル戦であった。デッキ構成上、1段目だけなら問題ない(塔メディナ対策がマトリエル1段への対策を兼ねている)が、2段目が出てきてしまうと、幽体離脱やヴァンパイア・キスで誤魔化すか、エディスやサキエルを抑止力として利用するぐらいしか手がないのだが、これらのカードが全く手札に来ていないのだ。
 もはや、彗星爆弾の可能性は0と判断し、全力で展開を始める。マトリエルの1段目が出てくるが、ゲブラーが立っているので、相手もそう全力では殴って来れない。こうしている間に、フェアリーが着実にダメージを蓄積していく。
 そして、相手はダメージが8点に達した時点で大きく動き出した。メルキセデクをプレイしてきたのだ。こいつもインセプにとって厄介なカードである。が、同時に、相手はマトリエルの2段目を引いていない事も意味するので一安心する。相手はそのままビートダウンを始める。パワーカードが1枚だけだったメルキセデクもアタックしてきた時に、ふと考え直す。「コイツを相打ちに取ればダメージは9点。裏のターンにフェアリーで殴れば10ダメに達するか、勢力にキャラクターが2体出てきて▼持ちなら相手は対処をしないとならなくなり、満足に殴れなくなるだろう」 1枚目の上位マトリエルをフェアリーの攻撃によってダメージに落とされているが、次のターンまでに引かれる可能性も高い訳で、その前に決着を付けたかったのだ。
 結論として、唯一のガードできる精神攻撃力持ちキャラクターであるゲブラーでガードし、メルキセデクを相打ちに取る。
 当然、その後にマトリエルが全力で殴ってくるが、インセプでガードして凌ぐ。
 ようやく裏のターン。フェアリーでアタック宣言する。相手は1コストを払う。まさか、予想外のシークエンスイレイズか(マトリエルデッキならあり得る選択なのだが、タッチ青のカードが多すぎてそこまで入っていないと判断していた)と思って、かなり焦る。
 が、成された使用宣言は幽体離脱。場にグレイマルキンが3体も存在しているので、それは効かない。よって、アタックが本体に通りダメージ判定が行われ、めでたく10枚目のカードがダメージ置き場に置かれて勝利する。

 生きた心地がしなかったが、マトリエルの2段目を引かなかったのは、こっちのデッキがインセプであると看破した後、ドローを抑えていった事が裏目に出たのだろう。しかも、フェアリーパンチで1枚はダメージの方に落としているしね。マトリエルであるなら、自分のデッキの勝ちパターンを信じ、全力でドローして2段を完成させて殴った方が良かったのではないか?

 試合後の雑談で、私がデッキのシャッフル中に自分のデッキ内容を見たのを「マズイよ」と指摘してくれた。私としては、出したデッキが本当に自分が決勝用に用意したデッキなのか心配になったので確認した訳なのだが、「カードの順番を覚えるために見た」と解釈されても反論できないだろう。親切な方だ。


準決勝 「疑惑の勝利」

 相手は北海道代表の方。  席に着いた相手が、お守りカードとしてFoilのLightningDragonを出しているのを見て、思わず「懐かしいカードですねぇ」と口にしてしまう。確か、ウルザズサーガのプレリリースの参加記念プロモだったと思う。日本人にしては古参に属するMTGのプレーヤーだと言うことで、ちょっとだけ警戒心を持っておく。
 こちらもデッキを取り出そうとすると、前の対戦の後にデッキケースの閉め方が悪かったのだろうか、蓋が開いてしまい、デッキを床にばらまいてしまう。机の影に隠れて相手にはデッキ内容は露見しないと思うが、慌てて拾い集める。
 で、気を取り直してシャッフルすると、スリーブが大きく破損しているカードが1枚あるのを発見する。ジャッジを呼んで、取り替えたい旨を申し出る。が、スリーブを外した後にカードの状態を見ると、カード自体も傷つきマークド状態になっていた。さすがにキーカードであるフェアリーがマークドなのはマズイので、同じカードと取り替える。ランブルの方で使うデッキの候補として、ほぼ同じ構成のデッキを持っていて良かった。
 こういうゴタゴタに、対戦相手はかなり不快感を感じている様子。意図的にやった訳じゃないので勘弁して下さい。でもって、やっとの事でデッキのシャッフルを再開する。11切りをやっていると1枚足りない。気のせいかと思って7枚切りをすると、やはり足りない。ので、辺りを見回すと、床にバンパイア・プリンセスが落ちているのを発見する。慌ててデッキに加える。次のシャッフルでは、きっちりと60枚になってくれた。
 ここで相手にデッキを渡し、相手のデッキをシャッフルする。いつもの様に6枚切りする。
 その後ジャンケン。やはり勝つ。ツイてるのは良いが、相手のアドバンテージをディスアドバンテージに変えるデッキである。逆を言うと、こちらのアドバンテージは実はディスアドバンテージである。後手を取りたいが、それでは1発でデッキが露見するので、渋々、先攻をとる。
 初手を見るが、ステスルキャラはいない。相手のデッキが判らないのでヴァンパイア・プリンセスを支配して相手にターンを渡す。ドローして8枚の手札を見つめた相手は、不機嫌そうな顔をして、おもむろに1枚のカードを捨て札置き場に置いてターン終了を宣言。こちらも思わず顔をしかめてしまう。相手のディスアドバンテージがこちらのアドバンテージに素直に直結しないがインセプデッキの癖の強い点。素直に喜べない。
 それよりも問題なのは、6枚切りで相手が事故った点。6枚切りは、相手の積み込みを封じるリバースシャッフルの意味合いが強く、これで事故を起こすと言うなら、積み込みをしてると判断しないとならない。事実、次のターンに相手はキャラクターを引いたらしく、支配していたのだが、その裏のターンにアタックしたら、ダメージ判定で出たカードはキャラクターであった。キャラクターと非キャラクターカードが均等に来るように積み込んでいる場合、リバースシャッフルをかけるとキャラクターの固まりと非キャラクターカードの固まりに分離する。相手のデッキはそう言う状態になっているように見受けられる。やはり、キャラクターとそれ以外に分けた積み込みをしていた、と判断せざると得ないのだろうか。杞憂だと良いのだが。
 そう言うことで警戒心を持ちつつプレーを続ける。初手から九字刀印を捨て札し、覡を支配したことから、アマテラスであることが確定している。タッチカラーは緑。コントロールと言うよりも攻撃的な組み合わせなのだろう。此花咲耶姫のアビリティを活用すれば、1ターンの間にアマテラスが10回近く殴ることも可能だろうし。
 デッキから尼僧の数を減らしたことから、霊媒にチクチク殴られてちょっとピンチかも。しかも相手は、こっちのデッキが露見するとドローの数を抑制してきた。ウルドが勢力に出た時、演歌のアイドルでガードしている。結果、でじこと星詠みで相手は3ドロー*2を繰り返している。

 そして、お互いにデッキの残り枚数が少なくなった頃に、疑惑のプレイングが発生する。

 フルパワーのアマテラスにケープデーモンがプレイされ、ハロウィンパーティーまでキャストされる。敗北を覚悟したが、相手の場を見ると何か不信である。残っているパワーカードの枚数が、私の計算より2枚も多いのである。場にはヴァンパイア・プリンセスが2体いて、ダークロアのプロジェクトのコストは2つ上昇している。ハロウィンパーティーの使用宣言時にコストを何枚支払ったか訊ねると3枚だと言う回答を得たので、ヴァンパイア・プリンセスの存在を伝える。対戦相手は、後から2コストを追加で支払おうとした。フリープレーや、店舗レベルの大会では別に構わない処置なのだが、さすがにブロックトーナメントの準決勝でそのプレイングはないんじゃないの?って思ったので、ジャッジを呼ぶ。

 ジャッジの裁定の結果、ハロウィンパーティーは捨て札となりました。

 プレイ再開。ケープデーモンの付いたアマテラスは、欠陥アンドロイドでガードしてケープデーモンを剥がす。あとは守りきりドローアウトで勝利する。
 正直、相手のプレイミスがなければ負けていた。直前になって思いついた、ドライアド→ヴァンパイア・プリンセスの換装を実行していて良かった。それにしても、子烏丸や布津乃御霊剣があるのに、ケープデーモンと言う選択は、やはり私のインセプをメタった結果なのだろうか?


決勝戦 「夢の彼方に・・」

 ようやく、先攻を決めるジャンケンで負ける(笑)。
 またも赤いゴーストデッキ。アマテラス確定である。メタを誤ったか? もちろん、関東Aブロック決勝時に入れていたドライアドを抜いたのは、霊媒を嫌っての事なので軽視していた訳ではないが、3戦中2回も当たるとは予想外であった。赤の1レベルブレイクに対処しやすいように、尼僧を増やすとか、スパイボーグの投入を検討するとかしても良かった気がする。
 序盤から相手は霊媒を多めに使ってファクターを稼ぐ。
 中盤にさしかかり、相手がアマテラスをプレイして殴り始めた頃には、対戦相手がタロットディーラーを2体も支配している状況で難波いのり・エレノール・ウルドが揃った状態になる。いきなり霊媒を2枚鬼ツモしてドローを減らされない限り勝ちは確定しているが、それでも決勝戦である。気は緩められない。霊媒に殴られ過ぎて、デッキの残り枚数も心許ない。
 終盤、相手の場にはフルパワーのアマテラスとそこそこパワーカードの入った霊媒2体がおり、こちらには大量のガード要員がいる、と言う状況になる。デッキの残り枚数を考えると、このままでは2ターン後にこちらが敗北するが、相手はこのターンで決めないと敗北である。
 奇門遁行陣があれば、アマテラスに打ち込むだろうな、と思っていたら、その通りの行動をした。これで相手の残りライブラリ枚数は10枚になった。相手からすると、次のターンに決着を付ければ良い状況になった、と言うことなのだろう。2体の霊媒をフルチャージしてターンを終える。
 でもって私のターン。最初のドローをして残りライブラリ枚数は6枚。ここで長考。
 もし、相手が逆転の可能性を秘めているなら、どんな手があるだろうか? 茶吉尼天経から霊媒パンチ*3、霊媒に奇門遁行陣、残っている霊媒*2を引いてドローを処理。
 いずれにせよ、エレノールを処分しておけば、こちらの寿命が2倍に伸びるので、処分にかかる。茶吉尼天経に関しては、現在のWIZ-DOMのアクティブキャラクターがエディス・ハーキュリーなので問題ない。彼女を支配すればよいのだ。
 パワー2のエレノールでアタック宣言。相手のデッキの残り枚数は6枚。アタックを2回通すと次のターンの開始時のドローで死んでしまうから、霊媒でガードしてくる計算だ。相手はこちらの注文通り、霊媒でガード。これで、私のライブラリアウト負けが遠のく。
 続いて、ゲブラーでアタック宣言をする。相手のパワーカードを極力減らしておきたい、と言う意図からだ。本体に通っても、勢力にキャラクターが出れば、その処理にパワーカードを使わざるを得ない。相手は、残りの霊媒でガード宣言をする。
 これで相手のパワーカードは0枚。次のターンに変な事をされる心配もない。せいせい、霊媒あたりでドローを処分して1ターンの延命をはかるくらいだ。ガードをして、ライブラリを守った事を考えると、デッキに霊媒が残っている可能性が高いのかも知れない。もしくは、スターフリゲートを積んでいたとか。
 これで相手にターンを渡す。さすがに相手は何も出来ず、ドローしてメインフェーズ終了を宣言。ウルドによる追加ドローフェーズでデッキが尽きる。


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