メインボード Island 12 Plains 6 Flood Plain 2 Mishra's Factory 4 Thawing Glaciers 3 Kjeldoran Outpost 2 Counterspell 4 Dissipate 4 Force of Will 3 Arcane Denial 2 Control Magic 2 Dream Cache 2 Political Trickery 2 Recall 1 Swords to Plowshares 4 Disenchant 2 Wrath of God 3 Circle of Protection: Red 2 サイドボード Blue Elemental Blast 4 Energy Flux 2 Mana Short 2 Political Trickery 2 Disenchant 2 Serrated Arrows 2 Helm of Obedience 2 ・全60枚+サイドボード15枚
このデッキの詳しい解説をしよう。
カウンターは13枚。このデッキでカウンターすべきは土地破壊呪文だけである。
Outpostトークンを殺されそうになっても、カウンターしない。また、産めば良い
だけである。あと、自分のCOPを守る、相手のカウンターをカウンターする、
Helm of ObedienceやDisrupting Scepterなとの本当に厄介な呪文を防ぐ、
程度のものである。相手の召喚するクリーチャーはあまりカウンターすべき
ではない。トークンやMishra's Factoryでブロックし、たまった所でWrath of Godだ。
カウンターは所詮は1対1の除去でしかない。だから、この様にカードを効率良く
使うことが欠かせない。この様なデッキにはArcane Denialは入れないのだが、今回は
同じカウンターグラッシャー系がおおいと踏んで、カウンターの手数を増やす
事にした。カウンターではない呪文をカウンターすれば、相手は大抵はArcane
Denialをカウンターする。おかげで、デメリット無しで役目を果たす事が
できる。
また、Political Trickeryも、同様のデッキが多いと踏んでの採用だ。サイドと
合わせて4枚ある。またこのカードはThawing Glaciersとの相性が良い。
Thawing Glaciersが手札に戻るのはターンエンドである。使った後、Political
Trickeryで交換すれば、一方的に相手の土地を奪うことができる。また、カウンター
のできない、厄介なMishra's Factoryを相手から奪うこともできる。
Dream Cacheはデッキを回すのに重要な役目を果たしている。序盤にThawing Glaciers
得る為に使っても良いし、デッキ圧縮の完了した後なら、有効なカードが3枚も
ドローできる。ライブラリの底に戻すのは、使い終ったThawing Glaciersだ。
Control Magicは主に、Swords to Plowsharesの聞かないWildfire Emissaryへの
対策である。こういうコントロールを奪う呪文は、相手のパーマネントを1枚減らし、
そして自分のパーマネントを1つ増やす。かなり経済効果の高いカードである。
COP赤のデフォルト2枚は、今回の大会はカウンターポスト以外では赤いデッキが
多いと踏んでの選択である。同じカウンターグラッシャーである赤青のハンマーデッキ
及び、SiroccoとREBで無理矢理Armageddonを通そうとするタイプのデッキ、黒い
ウイニーを火力でサポートしてるデッキなどがが主な仮想敵である。
Flood Plainはデッキ圧縮効果と土地事故対策に効果のあるカードなので
斉藤@筑波大の助言に従い入れてみました。このデッキは、序盤では圧倒的に
Islandが必要で、それほどPlainsを必要としないのですが、必要な時に1枚ないと
困るのでPlainsと置き換えてみました。まあ、Thawing Glaciersがあるのですが、
補助として入れてみました。
サイドボードの説明に移ろう。
4枚のBEBは赤対策。主に序盤のSirocco封じとプロテクション白を持ったWildfire
Emissaryの除去に使う。Energy Fluxは、最大の敵であるWinter Orbへの対策で
ある。Thawing Glaciers・Kjeldoran Outpostは共にWinter Orbで致命的な損害を
こうむるのだ。これは同時にロック系統のデッキの対策にもなっている。
Mana Shortは優秀はカウンター封じの呪文である。相手のターン、それもアップキープ
の時に唱えれば、相手はカウンターするしかない。そうしないと、ほとんど
カウンターできない状態でこちらのターンを迎えることになるからだ。しかし、
これをカウンターして、カウンター合戦になったらそれはそれで、相手のカウンターを
消耗させる訳であり、この場合、カウンターできてもマナの残りは少ないから
結局は同じような状況になるのだ。
Political TrickeryとDisenchantは相手を見て増やす為に入れてある。特に、
同じようなカウンターポストは大量にいると予測されるので、Political Trickeryは
4枚になっている。
Serrated Arrowsはウイニー対策。
Helm of Obedienceは、クリーチャーをほとんど入れていないであろうカウンター
グラッシャー系のデッキに対する秘密兵器である。Thawing Glaciersによる大量の
マナ確保によって、あっと言う間にライブラリを削ってしまう腹づもりである。
予選(スイスドロー6回)
1回戦 青白カウンター+Sacred Mesa(2勝時間切れ)
コンセプトはほど同等。やはり、Sacred MesaとKjeldoran Outpostの性能の差と、
プレイ技術の差で勝てた。
Sacred Mesaはアップキープを払ってからでないとトークンを生成できない。その為、
前のターンの内にトークンを用意しなければならない。相手はこのルールを知らな
かったらしく、Sacred Mesaをキャストする時カウンター合戦になり、最後に全力の
Power Sinkを使った。場にPegasusがいなかったので私はそれを許可した。相手は
アップキープを支払えずにSacred Mesaを埋葬せざるをえなかった。
また、この戦いでMana Shortのユニークな使い方に気がついた。Sacred Mesaの
キャストに対応してMana Shortを使うのだ。Sacred Mesaのカウンター合戦では
使い道のなかったMana Shortが、1枚のカウンターとほぼ同等な価値をもつのだ。
2回戦 青白カウンター+セラマゲドン+Kjeldoran Outpost(1勝時間切れ)
同じようなカウンターデッキである。だが、相手はArmageddonを使うことを
コンセプトにしている点が大きな相違点である。これは非常に重大なものである。
こちらは「絶対にArmageddonを通さない」と言うコンセプトの元、全ての土地を
展開できるのだが、相手はArmageddonを使った後の事も考えているので、必ずしも
全ての土地を展開できる訳ではない。これにより、カウンター能力に大きな開きが
生じ、これが勝因となった。
しかし、そうして1本目をとったのだが、2本目、Mishra's Factoryを連続で
セットして来て、殴り殺されそうになった。だが、Mana ShortでMishra's Factory
を足止めするなどして粘り、残りライフ1でなんとか踏みとどまり、このまま
時間切れとなった。
3回戦 緑白ErhnamSerrageddon(2敗の後、投了する)
トーナメントでは定判のデッキである。自分自身で使って大会に出たこともある。(
アーナゲドンを参照)このデッキの欠点はカウンターが
相手だと圧倒的に不利であるのだ。
そのはずであった。
しかし、怒涛のように湧いてくるクリーチャー軍の相手に追われて防御で
ていっぱいであった。1本目は隙をつかれてArmageddonを通してしまい、
それで負けた。2本目は事故で何もできぬまま負けた。最悪だ。3本目は投了して
気分転換をはかった。
また、大量のSerrated Arrowsを使用し、的確にアウトポストトークンを
除去していたも特徴的なものでした。
4回戦 赤青カウンター+ハンマー(2勝の後、投了される)
カウンターグラッシャーの一種。こちらは赤で除去を行ない、
大量のマナでHammer of Bogardanを毎ターン使い相手をしとめるデッキ。
ライフ残り1点まで削られるも、デフォルトのCOP赤を守り切って勝つ。
相手がノンクリーチャーと判明したので、クリーチャー対策がそっくり
カウンター対策とBEBに入れ替わる。これでは相手は何もできず、
こちらが2本取った段階で、3本目を投了して去った。おそらく、
私の3回戦の時と同じ行動であろう。
5回戦 赤青カウンター+ハンマー(2勝1敗)
4回戦の相手と同じようなデッキ。ただし、こちらにはWildfire Emissaryが
入って来ている。白のプロテクションを持った嫌な奴だ。
もっとも、デフォのCOP赤と4本のBEBと言う極端な赤対策がバッチリ
効いて、勝つ事ができた。
6回戦 赤白Emissary&Serrageddonデッキ(2勝の後、投了する)
相手は茨城大学のゲームサークルの方。ここは筑波大学のゲームサークルと
交流がある。また、去年11月に宇都宮で開かれた大会でも対戦している、
この時は、白青書き換えの私が赤緑ステロイドを破っている。
デッキの方は典型的なX-geddonデッキ。カウンターポスト対策として
プロテクション白を持つWildfire Emissaryを使用している。また、最大の天敵
であるカウンターデッキにはサイドボードから赤の対青カードを持ってきて、
無理矢理Armageddonを通そうとするデッキである。
ちなみに、決勝への進出ラインは5勝1敗の10ポイントであった。ふたりとも
ボーダーンライン上にならんでいた。最初、協議引き分けをして双方とも決勝へ
進出することを検討したが、マッチの内容が良くないので無理だった。
こちらが2勝したので、3本目は投了したが、相手の方は結局決勝まで進めなかった
様である。
予選の方は5勝1敗で見事、決勝進出を果たした。
決勝(スイスドロー7回戦)
1回戦 黒赤ウイニーバーン(1勝1敗時間切れ)
初戦の相手はましてもシード選手。しかも何と!中村氏!!!言わずと知れた
’96世界選手権の日本代表で、第5回東京大会でも優勝している方。そのデッキ
構築能力は日本では頭1つ分位抜け出しているでしょう。デッキ構築能力の高さは
世界選手権の日本代表メンバーが中村氏の構築したデッキを使っていたことでも
示されているでしょう。もちろんプレイングも一流である。
そのデッキはバリバリのカウンターポスト対策デッキ。プロテクション白や
フライングを持ったクリーチャーで攻め寄せるウイニーをバーンで補助したもの。
途中、summoning SicknessのMishra's FactoryでBlack Knightをブロック
してしまうなどのミスを犯すが、それでも1本目はデフォルトのCOP赤で勝つ。
で、サイドボーディング。ウイニー対策のSerrated Arrowsを入れてDisenchantを
1枚抜く。これが失敗であったか?2本目は土地事故を起こしたところでWinter Orb
を出され、なす統べもなく敗れる。今度はしっかりEnergy Fluxを投入する。
3本目。Serrated Arrowsは順調にクリーチャーを除去し、Winter Orbを出されるも
Energy Fluxを2枚張ってそれをつぶす。そして、次のターンに殴って勝ち、
と言う段階で時間切れとなり引き分け。
中村氏に戦果を尋ねたオフビート組は「カウンターポスト相手に時間切れ引き分け」
と聞いて「そのデッキでどうして?」と驚きを隠せない様子。後で知った事だが、
塚本氏も鶴田氏も船越氏もみんなカウンターポストを使用しており、中村氏のデッキ
に苦戦させられていたのだろう。
しかし、後から考えてみれば、試合時間終了直前の長考はあらかさまな時間稼ぎ
だった様に思える。「スポーツマンらしくない行為」としてジャッジを呼んで
対処してもらうべきであったか。
2回戦 カウンターポスト(1勝2敗)
相手は大橋氏である。15日の予選をトップで通過し、今回の日本代表として
香港で活躍してきた方である。第5回東京大会の最終戦で対戦したことがあり、
その時はアーマゲドンデッキを使ってネクロディスクを打ち破っている。
今回はカウンターポストを使用している。その時に最も有力なデッキをプレイできる
柔軟なスタイルの方である。
デッキの中に入っているKjeldoran Outpostの数はこちらが2であるのに対し
相手は4であった。結局この数の差で負けた。また、1本負けて2本目の終盤と
言う煮詰まった局面で、こちらでは対処できないKjeldoran Outpostを相手が
出している時に、Mana Shortで相手を防いでおいてHelm of Obedienceを出した。
そこ迄は良いが、あせるあまり全力でHelm of Obedienceを使用してしまい、
せっかくのHelm of Obedienceを除去されてしまう。
3本目を勝てたのは、相手が土地事故を起こしたからだった。
3回戦 黒TriskelionReanimate(1勝時間切れ)
相手は18日の予選をトップで抜けた人物。
Triskelionを使い、死ぬ間際に3ダメージor2ダメージ与えた後にTriskelion
自体に1点打って壊す、をanimateで繰り返し行なうデッキ。普通にキャストする
為のマナ増幅手段としてLake of the Deadをを使っており、基本的に黒単だか、
カードを手に入れる為にLim-Dul's Vaultが入っている。
このコンセプト自体はそれなりに強い、Triskelionさえ(Graveyordに)出せれば。
Triskelionのダメージを防ぐのにはCOP:Artifactかカウンターしかない。カウンター
されてもAnimateすれば良いだけだ。また、ウイニーにも強い。
しかし、カウンターポストには弱い。Dissipateと言うものがあるし、カウンターを
打ち尽くした段階でSwords to Plowsharesをかければ確実にゲームの外に送れる。(
ただし、こちらからSwords to PlowsharesでTriskelionを除去しようとすると、
自分に1点打って先に墓地に行ってしまう。Wrath of GodやControl Magicなどで
3発打たせてからSwords to Plowsharesする必要がある。)
まあ、カウンターポスト大流行の今大会で予選を1位で抜けた方。それなりの
対処方法があったのだろうけど、デュエルが長引き、初戦を勝って2本目の途中で
時間切れ。
4回戦 カウンターポスト(2敗時間切れ)
相手は同じサークルの人間なので、今までの様に有名人と当たるよりも
気分が滅入った。
かなり変則的なカウンターポストで、Diamondが入っていてArmageddonを打ったり、
Serra Angel,Mist Dragon,Suq'Ata Firewalker,Giant Turtleなどのクリーチャーが
入っていたりする。
最初を落した2本目で、起死回生のHelm of Obedienceを使ったが、引き当てたのが
Giant Turtle。聖良天使や霧竜だったら勝ち目があったのに‥‥‥
5回戦 カウンターポスト(2勝時間切れ)
相手はシード選手の大山@慶應大学氏。MTG-MLの有名なアクティブメンバーで
前回の’97TYPEIIフィアナルビックトーナメントでは準優勝している方です。
9月の第5回東京大会で対戦したした時はコテンパンにやられました。
非常にオーソソックスなカウンターポスト。おそらくはメインデッキは10枚も
違わないでしょう。Political Trickeryが面白いように決まって勝てました。
6回戦 黒赤ウイニーバーン(2勝時間切れ)
典型的な対カウンターポストデッキ。もっとも、ここまでポイントが落ちて
しまえば楽勝である。
7回戦 5色ケンタウロスデッキ(3敗)
本当はどんなデッキなのか不明。緑を基本としてBirds of Paradiseから
ArmageddonやらFireballやらを打ってこられた。で、3本ともJolrael's Centaur
に殴り殺された。
また、今回のメタゲーム結果を評価してみます。
予選の最後3本はいずれも赤かったし、決勝でも2人も赤いデッキと当たって
いるので、のでデフォルトのCOP赤+サイドのBEB×4はかなり効果的でした。
カウンターデッキ相手には7戦5勝ちと、優秀な成績であった。が、実際に
Helm of Obedienceでライブラリを削り勝ったのは1度もなかった。それほど
効果的ではなかった。Disrupting Scepterの方が良かったか。
カウンターポスト相手は3戦1勝と惨々な結果であった。これはKjeldoran Outpostの
数の差で殴り負けたというものだ。Political Trickeryを4枚にするよりは
Kjeldoran Outpostを4枚にした方が良かったか。また、デフォルトでもう少し
カウンターデッキ対策になるものを入れても良かった。
また、カウンターポストは時間切れ引き分けになり易く、他に引き分けるようなデッキ
はあまりない。スイスドローのルールは、引き分けるとポイントが半端になって
しまい、引き分けた者同士当たり易くなる、と言う特徴がある。だから、1度
引き分ければ、以降、自動的にカウンターポストにあたりやすくなるのだ。これは
実際に引き分けてから3回もカウンターポストと当たっている事から気がついた。
これを見越して、メインボードにカウンターポストへの耐性をつけた上で初戦を
引き分ければ、かなりのポイントを稼ぐことができるであろう。