プレイ日記:第1回「学園生活、襲来」


それは正に、天啓であったのかも知れない。高校時代の同級生の部屋に泊まった時のことだ。PSユーザーの彼は「ときメモ」を持っていると言った。常々興味を持っていはいたが、実際にやった事のない私は、彼の奨めに従ってプレイすることにした。
初めてプレイするに当たって、私は完全に自分の高校生活をシュミレートすることにした。名前や誕生日・アダナなどの質問に正直に答え、ゲームを始めた。
不幸な事に、アイコンの意味どころか操作方法すら説明を受けなかった。よって、手探りで進まなければならなかった。まあ、「プリンセスメーカー」などの経験があったので、何とかなると思っていた。
各アイコンの意味と平日と休日のコマンドの違いを把握した頃には、もう、1学期の試験が終っていた。苦労したが、進学校の進学クラスにいた自分を、何とかシュミレートすることができた。とりあえずの目標を試験で1位になることに定めた。おかげで、体育祭では散々な結果であったが、テストはまあまあであった。
いつの間にか、紐緒さんに電脳部へ入れさせられていたが、コンピュータ関係の部活動をするのは予定通りだったので問題なし。試しにかけてみた電話で、如月さんをデートに誘うことになったが、これは容姿が低くて逃げられてしまった。好雄に電話をすると妹さんが出る時もあったので「どんな妹さんかな? 登場しないかな?」とちょっと期待してしまった。
2学期は、部活と理系・文系コマンドを重点的に行なった。本当に自分の高校生活みたいだ。芸術を上げてなかったから、試験では1位になれなかったものの、そこそこの良い成績をとった。クリスマスは当然のごとく門前払い。なんか自分で自分の高校生活が虚しくなってきた。
それにも転機が訪れた。2月14日のバレンタインデーだ。詩織が美樹原さんを紹介してくれたのだ。
うお〜、メッチャ好みじゃん。(爆死)
これが運命を変えた。「あの…その…」と言う恥らうような口調と、何より自分に好意を寄せてくれることが気に入った。早速デートに誘われるが、容姿が低くて逃げられてしまう。誘ったくせにそりゃないよ。
仕方ないので、学業をほおり出して容姿を上げることにした。おかげで、3学期の試験でも1位は取れなかった(本当は、芸術を全く上げていなかったから。この事実に、遅ればせながら、その時、気がついた)けど、デートで逃げられなくなった。まずは、これで良し。
2年になったら、何と、初めに好雄の妹さんが出てきた。優美ちゃんは1年下の後輩だった。読みは当たっていたのだが、その年齢にちょっとガッカリ。
今度は芸術と容姿を重点的に上げる事にした。そして、月に1回は美樹原さんとのデートを楽しんだ。1年の時に理系と文系を重点的に上げたおかげで(250を超えていた)試験でついにトップになった。そして、このトップは卒業まで揺るがなかった。
取り敢えず、当初の目的は果たした。また、デートで逃げられなくなったから、これ以上容姿を上げる必要はないと考えた。パラメータを見ると、運動と根性が0で、雑学が低かった。今度は雑学を上げてみよう。でも、このパラメータって、何に作用するの?
2学期になって、急に女の子が廊下でぶつかるようになった。今までもそういうイベントは数回起こっていたが、何も影響がないみたいなので、無視いていた。でも、余りにも多いので、ちょっと気になっていた。しばらくすると、好雄から、朝日奈さんを紹介された。廊下でぶつかって来る女の子の片割だ。なるほど、あのイベントはリーチ目だった訳だ。なら、もう片方も登場するのかな?(お分かりの通り、登場しませんでした)
朝日奈さんのセリフを聞いて、1つ納得した事がある。パラメータを上げていくと、それに対応した女の子が登場する。なるほどね。なかなかデキたシステムだ。
でも、朝日奈さんはコギャルっぽいイメージがしたので気に入らず、ほっておく事にした。(これが間違いのもとだった)
そうしている間も、美樹原さんとの蜜月は続いた。お互いにデートに誘いあったり、一緒に下校したり……。こういう学園生活も楽しいものだな。
しかし、破局は訪れた。女の子の間に悪い噂が流れ、その対処法を知らぬ間に、何かが弾けた。1つの爆弾の爆発が連鎖的な爆発を呼んだ。女の子の表情が軒並、険悪なものになった。
こんな状況でも、私は美樹原さんしかデートに誘わなかった。何故か? やはり、1人の女の子と交際している間は、他の女の子に手を出したくなかったからだ。フタマタをかけていることになると思った。それが発覚して、双方にふられると考えた。これは、杞憂であったのだが、やはり、イヤだった。
結局、それ以降、1年以上の間、爆弾がどんどん爆発する中、休日は美樹原さんをデートに誘ってデートするのを繰り返した。高校3年生で受験を控えているのに、こんなに遊び回っていて良いのか、と言う位、遊んだ。なにせ、入試の前日ですら遊園地に行っていた程だ。(でも、実際に自分も入試前日にパチスロ店や雀荘に行っていたりする)

結局、予想通り美樹原さんに告白されて終了した。女の子との関係に関するシステムや遊び呆けていても1流大学に受かってしまう点に釈然としない部分を感じながら、1回目のプレイは終了した。ゆうに一晩、6時間ほどかかった。
しかし、この段階で既に、このゲームに人々がハマる理由が分かった。自分もその一員になったからだ。
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