デッキ構築講座その3:焼きデッキ

焼きの思想

あまり正しくないたとえ話をすると、どんなTCGでも相手のデッキがちゃんと機能していないなら容易に勝てる。アクエリで言うなら、キャラが来ない・ドローが来ない・メインファクターが揃わない・チャージが足りない、などである。
そう言う「事故った」状況を意図的に作り出すのが、焼きデッキである。

焼きデッキは、常にトーナメントシーンをリードし続けてきた。しばしば、使用の是非が問われる事もあった。実際に、都内のあるデュエルスペースでは大会ですら使用が禁じられた。私もフリープレーでは敢えて使う必要はないと言う意見を持っているが、大会でまで使用禁止する必要はないと思っている。
りせっとちゃんエラッタ後の『双児宮の鏡』の環境では、多色のドロー焼きがメタの中心であった。E.G.O.の「キネティックショット」「サイコキネシス」、阿羅耶識の「弓鳴りの儀式」、WIZ-DOMの「ファラオの呪い」「聖水」、ダークロアの「イドの怪物」「ビーム猫耳娘”デ・ジ・キャラット”」、イレイザーの「サテライトレーザー」など。これらの1ファクターの焼きカードを大量に搭載し、相手のドロー+1キャラクターを中心に焼いていく。パワーカードが1〜2枚ついたドローキャラと、1〜2コストの焼きカードは等価交換だが、焼かれた側はファクターと補給線を失うので、実質的に焼いた側が有利になる。リソースの面でたっぷり差を付けた後は、デッキに数枚しか入れてない高効率のダメージソースで相手を倒せばよい。基本的には妖刀村正。これをスキュラか、「人狼”飯塚秋雄”」か「鬼姫”鈴鹿御前”」に付けて殴る。もう1つのパターンとして、ファクターを兼ねる大量のステルスキャラクターで殴ると言う手もあった。
多色の焼きデッキの影響で、「ファラオの呪い」にはエラッタが出た。
『獅子の戦旗』の環境下では『ワーカーブレイク』という概念が生まれた。ドロー+1を持ったキャラクターは皆、分類がワーカーであり、「演歌歌手”難波いのり”」をプレイすればパワーカードが刺さらなくなる。そこを分類ワーカーを持つ「バニーガール」「忍者」「ローゼンクロイツ」「エリミネーター」などのブレイクカードでブレイクするのだ。
『天蠍宮の運命』の環境下では、「星に願いを」と「メイド長”佐々原藍子”」を得たE.G.O.を中心に、ワーカーブレイクと多色焼きを組み合わせた『青白焼きデッキ』が登場する。「キネティックショット」と「ファラオの呪い」に加えて「死の印」でファクターを焼き、「演歌歌手”難波いのり”」や「エンバシー」と「バニーガール」などを使って相手のドロー+1キャラを奪う。焼き漏らした相手のファクターは「星に願いを」で一掃し、仕上げに「スーパーアイドル”小鳥遊ひびき”」で相手のキャラクターをブレイクする。徹底的に焼いていくので、「スーパーアイドル”小鳥遊ひびき”」に敢えて「スパークリング・プラズマ」を付ける必要がないほどだ。
『悠久の処女宮』で「キネティックショット」を封じる「姫巫女」や「マジカルプリンセス」が登場するが、青白焼きをメタの一角から追い落とすには至らなかった。
『夢幻の天秤宮』では、ドロー+1を持ったネームレベルブレイクが登場し、青白焼きは息の根を経たれたかに見えたが、新たに得た「ピュアメイド”和泉はるか”」「ブライトパーム”一色真純”」によって、さらにコントロール色の強いデッキへの変貌する。ドローへのコントロールを「ピュアメイド”和泉はるか”」に一任する事で、「キネティックショット」と「ファラオの呪い」はファクター焼きに専念できる。そして「ブライトパーム”一色真純”」。パワーカードコントロールの要素まで取り込むことになる。
『魔羯宮の女神』の環境では、「霊媒」の登場によって阿羅耶識を中心とした分類ゴーストによる焼きデッキが登場する。焼かれて展開が遅れてブレイクを満足に出せない状況で「アマテラスの依代”高天原日見呼”」に登場されると、もはや何もできなくなる。

焼きデッキは、乱暴な話をすると、展開する為のキャラクター・大量の焼くカード・数枚のフィニッシャーを入れるだけで構築できる。もちろん、多色になるのでその辺のバランス取りは難しい。あと、フィニッシャーすら単純な強さでは選べない。「スーパーアイドル”小鳥遊ひびき”」「アマテラスの依代”高原日見呼”」「ブライトパーム”一色真純”」は、いずれも焼き戦略に合致した能力を持つブレイクである。多段ブレイクと比べでバトルをする際には不安が残るが、デッキが機能しているなら、これらのブレイクにうち勝てるカードをプレイする余裕は相手にないので問題ないのだ。 その反面、プレイングは難しい。一見すると、相手の場のキャラクターを片っ端から焼いていけば良いように見えるが、それでは大会で勝ち越せる程度の戦績しかおさめられない。大会で全勝できるレベルに達するには、場の状況と相手のデッキを判断し、ドロー・ファクター・パワーカード・チャージなどのどれを奪えば相手の展開を一番遅らせることか出来るか考え、効率的に焼いていくことが求められる。

サンプルデッキ1:白青焼き
4 ウエィトレス
4 メイド
4 イベントコンパニオン
2 水着少女
4 風水師
4 タロットディーラー
4 トルバドール
3 マドモアゼル
2 ハイブリッド猫耳娘”デ・ジ・キャラット”
2 バニーガール
4 ピュアメイド”和泉はるか”
2 メイド長”佐々原藍子”
4 ブライトパーム”一色真純”
2 スパークリング・プラズマ
4 キネティックショット
3 星に願いを
4 ファラオの呪い
4 死の印

サンプルデッキ2:焼きテラス
4 風水師
4 カンナギ
3 娘仙
3 召霊師
2 演歌歌手”難波いのり”
4 タロットディーラー
4 エレメンタラー
4 トルバドール
3 ジニー
4 霊媒
4 演歌のアイドル”難波いのり”
4 アマテラスの依代”高原日見呼”
2 コノハナサクヤの依代”美作壱与”
4 弓鳴りの儀式
3 レイス
4 ファラオの呪い
4 死の印


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