トーナメントデック構築講座・応用編


オフェンシブ・ファクター


クリーチャーによる攻撃

クリーチャーによる攻撃で相手に勝つ為の方法は幾つかあります。そのほとんどは、相手より早く強いクリーチャーを呼び出すことによって実現されています。また、それと同時に、相手にダメージを与えられるように、ブロックされない、または、相手のブロック用クリーチャーを手早く除去する、相手にブロッカーを出させないなどの工夫も必要です。


ウイニー

キャスティングコストの低い(具体的には1〜2マナ)クリーチャーを大量に呼び出して相手を圧倒します。場合によってはCrusadeやBad Moonなどでクリーチャーを強化します。
この方法のメリットは、デッキに入っているどのクリーチャーをつもっても、それを即座に使えるので、引きでドツボる事がないこと、また、ランドが少なくても起動するので、対処しにくい土地破壊に耐性があること、などが挙げられます。このメリットを充分に生かす為、大抵は単色で組まれます。
弱点は、そのクリーチャーの弱さです。大抵はタフネスが1〜2なので、Pyrokinesis・Dry Spell・Serrated Arrowsなどが致命的になります。また、1体の巨大なクリーチャーが立ちはだかると、どうしようもありません。
代表的なものには白の
クルセードデッキ があります。


高速出現

高速マナを用いて、コストパフォーマンスの良い中大クリーチャーを素早く呼び出して相手を圧倒します。
どの色でもMana Vaultがこの目的に使えます。黒ならDark RitualでSengir VampireやIhsan's Shadeを呼びます。緑ならElvish Spirit Guide・Birds of Paradise・各種Elfなどがあり、これらでErhnam Djinn・Deadly Insects・Autumn Willowなどを呼びます。赤ならこれらの色と組み合わせて、Balduvian Horde・Shivan Dragonなどを召喚します。また、白を組み合わせた時はSerra Angelを使います。
しかし、1体の大型クリーチャーを召喚するのに2〜3枚のカードを必要とする為、せっかく呼び出したクリーチャーを除去されてしまうと、相手の1枚のカードでこちらの数枚のカードが無効化されてしまいます。これではカードの効率が悪いです。
この手法を使った代表的なものに
アーマゲドン・デッキ があります。


高速クリーチャー強化

キャスティングコストが低く、ブロックかブロックをされにくいクリーチャーを召喚し、それを何らかの手段でパワーを強化して相手を殴ります。
この目的に沿うクリーチャーは1:フライングを持つもの、2:プロテクションを持つもの、3;リジェネレートするもの、4:相手の呪文の対象になりにくいもの、などが挙げられます。この条件のいずれかを満たすものを挙げると、アーティファクトではOrnithopter・Roterothopter、黒ならVampire Bats・Will-O'-The-Wisp・Black Knightの類、青ならSea Sprite・Zephyr Falconなどがあります。
また、強化に使うカードとしては、赤のBlood Lust・Firebreathing、黒のUnholy Strength・Howl from Beyond、青のUnstable Mutationが有効でしょう。
この場合の欠点は、手札がクリーチャーばっかりとか強化カードばっかりとかだと、デッキが回らないことです。これは、ある程度の均一したカードの引きに依存しているのです。


ネクロマンサー

Animate Deadはわずか2マナでグレーブヤードからクリーチャーを場に出せるカードです。呼び出せるクリーチャーはどんなものでも良いのです。これを利用して、通常の召喚をするには時間のかかる強大なクリーチャーを手早く場に出す、と言う手があります。
実際にはどの様にして呼びだしいクリーチャーをグレーブヤードに送るか、と言う問題が生じます。1番安直な手段としては、カードをあまりプレイせず手札を7枚より多くして捨てます。また、カードを自分で選んで捨てる効果を持つ呪文やエフェクトを使う、と言うのもあります。例を挙げると、Jalum Tome・Mind Bombなどです。また、他力本願ながら、通常のランダムな捨て呪文を相手にかけた場合、相手の捨てたクリーチャーを利用できます。
この手段の良い点は、Swords to Plowsharesなどでゲームから除外された場合を除いて、除去されても簡単にクリーチャーが甦る事でしょう。


呪文による直接ダメージ

この場合は赤が主役です。一応、緑にはHurricaneが、黒にはDrain Lifegaありますが、これだけでは不足です。
まず、欠かせないのがLightning BoltやIncineratと言ったパフォーマンスの良い火力呪文。これらは入れられるだけ入れましょう。そうしてから、Xマナ呪文です。Xマナ呪文の威力を増す為に、Urza'sの3ランドやMana Flareを入れるのも良い方法です。
この方法の良い点は、火力は相手を倒す手段であると同時に、クリーチャーを除去する手段にもなることです。その意味で、Earthquakeは重要です。
欠点は、マナが大量にいること、カード使い捨てでカードがないと何もできないこと、Cop:Redなどの致命的なカードがたくさん存在することなどです。これらの欠点の克服は赤単色では無理です。除去能力の高い白か、エンチャントに対処する能力のある緑と組み合わせるのが良いでしょう。
このコンセプトと利用したものは
バーン・デッキ を参照して下さい。


ライブラリ破壊

ライブラリ破壊の方法は簡単です。恐らくは1枚のFeldon's Caneで充分でしょう。むしろ問題となるのは、ディフェンシブ・ファクターです。
MillstoneやAshnod's Cylixは、ライブラリ破壊を加速させます。また、Howling Mineも場に出たら先ず相手がその恩恵を受けるし、ターン数が半分になってその分クリーチャーによるアタックや呪文による攻撃を受けないことを考えると、ライブラリ破壊の1種です。
具体例は
ミルストーン・デッキターボステイシス をみてください。


ディフェンシブ・ファクター


除去

相手に勝たせない為だけでなく、相手のディフェンシブ・ファクターを除去するのは、こちらのオフェンシブ・ファクターにつながる。こらは、他のディフェンシブファクターにも言えることである。除去するバーマネントの種類によって個別に説明する。


クリーチャー

クリーチャーに対する除去手段は、緑以外の全ての色が所有している。それらは一長一短があるし、プロテクションをもつクリーチャーも存在することから、複数の色でクリーチャーを除去する手段を持つことが望ましい。
まず赤は非常にクリーチャーの除去手段が豊富である。なぜなら、火力呪文がクリーチャーの除去手段になるからだ。これらの中では、Fireball・Pyrokinesis・Earthquake・Infernなどは、1枚で複数のクリーチャーを除去できるので、非常に有効である。しかし、後ろの2つは、こちらのクリーチャーにも被害が及ぶので使うのには注意が必要である。また、Fissureと言う単体への除去手段もある。色は赤くないが、出すのに山を必要とするBalduvian Trading Postは、攻撃してきたクリーチャーにダメージを与えられる。
白もまた、多くの除去手段がある。Swords to Plowshares・Reprisal・Exile・Wrath of Godなどがそうだ。Swords to Plowsharesは、プロテクションを除いてほぼ例外なく効果のある呪文である。コストも白と非常に軽い。そして、Wrath of Godは、プロテクション持ちも含めてクリーチャーを全滅させられる、ほぼ万能のクリーチャー除去である(しかし、自分のクリーチャーも全て除去される)。また、こちらがクリーチャーの数が少なければ、Balanceもクリーチャー除去手段となる。
青の場合、Control Magic・Ray of Commandでコントロールを奪う方法と、Unsummon・Time Elementalで手札に戻す方法の2つがある。前者は、今度は自分がそのクリーチャーを使えるので非常に有効であるが、キャストに4マナかかるので非常に重い。カウンター用のマナを残さねばならない青には特にこれが厳しい。後者の場合は、非常に軽いのだが、再び召喚されてしまう。こちらはその時にカウンターすれば良いのだが。また、その場しのぎだが、コンバットフェーズの頭にTwiddleなどでタップするという方法もある。
黒には、TerrorやDark Banishingと言う低いコストでクリーチャーを除去できるカードがある。だたし、これらのカードは1部のクリーチャーには効かないので、相手がその種のクリーチャーしか使っていないと、完全な無駄カードになる。また、Drain Lifeも赤の火力と同様にクリーチャーの除去手段となるがコストがかかる。Dry SpellやPestilenceと言った呪文も除去手段となるが、こちらは自分のクリーチャーにも被害が及ぶことを考えて使わねばならない。
アーティファクトの場合、Serrated Arrowが使える。色がないのでプロテクションの効果がない。


アーティファクト

白ではDisenchant・Divine Offeringが、赤ならShatter・Pillage・Primitive Justiceが、緑にはCrumble・Scavenger Folkで破壊できる。また、青にはHurkyl's RecallやTime Elementalで手札に戻したり、Steal Artifactでコントロールを奪うと言う方法がある。


エンチャントメント

これは除去が難しい。エンチャントメントを専門に除去できるカードは、白のDisenchantと緑のTranquilityのみである。あとは、 万能型 の除去手段を適応するしかない.


万能型

数は少ないが、いろいろなパーマネントを除去できるので、非常に有効であろう。しかし、それぞれに欠点も抱えている。緑にはDesert Twisterという呪文があるが緑緑4と非常に重い。青ではBoomerangやTime Elementalで手札に戻せるが、これはカウンターするなり、捨てさせるなりをしないと再びプレイされてしまう。Nevinyrral's Diskの場合は、起動させるのに1ターン待たねばならず、しかも自分のもつパーマネントも破壊されてしまう。


カウンター

これは、相手が使おうとしたカードを無効にする。除去と違って、カードの種類を問わず、また、プロテクションも関係ないので、非常に強い。しかし、相手が呪文をかけたその瞬間しか効果がなく、また、使う為にはマナを残しておかなければならない。マナが残っていれば当然、警戒される。しかも、こちらのカード1枚で無効にできる相手のカードは絶対に1枚だけなので、カードの経済性が良いとは言えない。
これを主体にしたものでは
ミルストーン・デッキ があります。


アンタップ制限

カードのアンタップを制限して、相手のカードを有効に使わせなくする方法。しかし、相手のアンタップのみを制限する、などと言う都合の良いカードなどなく、自分もアンタップを制限される為、何らかの手段で自分のデッキは回るように工夫することが必要である。
アンタップを制限されると手札が使えず、溜る一方である。故にMisers' CageやStorm Seekerが非常に有効である。また、相手のパーマネントをプレイするときにタップしてプレイさせるKismetは必須の為、大抵は白を使用する。


Stasis型

これは、完全にアンタップフェーズをなくす。しかし、アップキープに青を支払わくてはならないので、なにもしないと、いつかは終ってしまう。それを回避する方法としては、アンタップフェーズなしても青を確保できるようにするのや、相手のターンエンドに除去すると言うものがある。
前者は、Birds of ParadiseかLey DruidにInstill EnergyかNature's Chosenをつけると言う方法かTrade Caravanを2体用意すると言う方法の2つがあります。しかし、今やPyrokinesisやContagionなどの存在で、それほど有効とは言いがたいです。
後者としては、Time ElementalかBoomerangなどがあります。Time Elementalの場合、青が3つにその他が3つ確保できれば、永遠に維持ができますが、クリーチャーなので、前の方法と同じ弱点をを持っています。
Boomerangで戻す、またはDisenchantやDespotic Scepterで破壊して新しいStasisを張ると言う方法はその場しのぎの様に見えますが、Howling Mineが2枚ぐらい出ていて毎ターン3枚のドローがあれば、かなり長くStasisを維持できます。また、Land Taxなどで大量の土地を確保しているなら、それはさらに長くなるでしょう。大体、相手のライブラリが尽きるまでは維持ができます。
実際にに組むと、オーソドックスに組んだ
ステイシス・デッキと、最近、はやりの ターボステイシス の様になります。


Winter Orb型

Winter Orbの場合、ランドだけしか制限をできません。しかし、ほとんど呪文を使えなくなるので、一度、完全に除去してしまえばこちらの思うままです。
具体的な ウインターオーブ・デッキ はここを参照して下さい。


ハンドディストラクション

相手から手札を奪うことで、呪文を使えなくします。手札であれば、カードの種類は関係ないので、 カウンター の項で述べたような有利さが生まれる。まら、捨てさせたカードを利用できるので、 ネクロマンサー と相性が良い。
主に、StuporとHypnotic Specterを利用する。これらのカードはランダムに捨てさせることができるので強力だ。
最近ではGuerrilla Tacticsその他、沢山の対策カードが出ているので、非常に威力が落ちた。


ランドディストラクション

ランドを破壊することで、相手から呪文を唱える能力を奪う。 アンタップ制限 とことなる点は、StasisやWinter Orbと言ったキーカードを破壊されることでその結果が無に帰す様なことがない事である。
実際には、Stone RainやPillageの様な対象のランドを壊す呪文を大量に入れるタイプと、Armageddonで一気に壊すタイプの2つがある。
前者に使えるランド破壊能力を持つ色は赤・黒です。普通は、赤には赤2で使えるStone Rainがあり、その他にもPillageやFissureがある上、火力呪文で除去ができるでのこの色が中心となり、ChokingSandを持っていてDark Ritualのある黒と組み合わせます。もしくは、他のパーマネントの除去能力の高い白か優秀なクリーチャーの多い緑と組み合わされて使われることもあります。
後者は、自分の方の体制が整ったら、それをロックする為にArmageddonをかけます。これにより、相手は何か呪文を唱えて行動することが難しくなります。セットランドは1ターンに1枚までなので、Armageddonを唱えた後はこれを立て直すのは難しくなります。このデッキの例は アーマゲドン・デッキ を参照して下さい。


では、これらの要素を組み合わせて実際に作ったデッキを紹介いきます。

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